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【総務省】「マイナ保険証」切り替えに知事から説明求める声相次ぐ

財界オンライン 2022年11月23日 15時0分

マイナンバーカードの普及加速に向け、政府が思い切った方針を打ち出した。

 2024年秋をめどに現行の健康保険証を原則廃止し、マイナンバーカードと一体化した「マイナ保険証」に切り替え、任意だったカードの取得を事実上義務化するというものだ。ただ、各地の知事らから政府に丁寧な説明を求める声が相次いだほか、カードを取得しない人への対応をどうするかなど、実現への課題は少なくない。

 政府は22年度末までに、ほぼすべての国民がカードを取得する目標を掲げている。しかし、人口に対する交付率は10月にようやく50%を超えたばかり。寺田稔総務相は「国民のおよそ2人に1人がマイナンバーカードをお持ちいただいていることになる。カード取得の加速化に、引き続き全力で取り組んでいく」としているが、目標達成はなお厳しい状況だ。

 マイナ保険証は21年10月に本格運用を開始。政府はマイナンバーカードをデジタル社会の基盤インフラに位置付けており、保険証との一体化がカード取得の大きな動機付けになると期待する。

 政府の方針について神奈川県の黒岩祐治知事は「基本的な方向性は正しい」と評価。その上で、「皆さんに納得していただく説明が大事だ」と強調。愛知県の大村秀章知事もカードの利便性向上につながるとの見解を示しつつ、「丁寧な説明が必要だ」と語った。

 一方、名古屋市の河村たかし市長は「こうした基本政策を変更するには、総選挙を実施し、国民の同意を得て、法律の改正が必要だ」と訴え、カードと保険証を一体化する政府の方針に反対する申し入れ書を提出。東京都世田谷区の保坂展人区長は「カードを普及させるために、カードを人質に取るようなやり方は発想として違う」と話す。

 一体化に向け政府は、紛失などの事情で手元にカードがなくても保険診療を行える仕組みを検討。関係府省による検討会で環境整備を進める。情報流出への不安からカード取得をためらう人もいるため、そうした不安を取り除くための取り組みも改めて求められる。

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