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「ゴミのように見えるデータをうまく活用することで、価値あるものに変えていく」ギックス代表取締役CEO・網野 知博

財界オンライン 2022年12月12日 7時0分

データを用いて論理的に考え、合理的に判断する

 ―― まずはギックスがどんな会社かを伺っていくんですが、本題に入る前に、社名の由来から教えてもらえますか。

 網野 データ分析の世界に「Garbage in Garbage out」という言葉がありまして、ゴミデータを入れると、どれだけ分析しても、ゴミしか出てこないという、入力するデータの重要性を説いた話なんです。

 よくビッグデータという言葉を聞くと思うんですが、大量のデータというのは一見するとただのゴミなんですね。ですが、一見すると使い道のないようなデータであっても、それを上手く整えて、分析し、活用していけば役に立ちます。われわれの手によって、データを価値のある何かに変えていこうと考えて、Garbageをインしても、”X”、すなわちSomething Valuableをoutする、G in X outということで「GiXo」でギックスという社名になっています。

 ―― なるほど。要は、価値のないものを価値あるものに転換するということですね。

 網野 そういうことです。当社は戦略コンサルタントとアナリティクス専門家によって立ち上げられた”データインフォームド”推進企業です。アナリティクスを活用し、あらゆる判断をデータに基づいて行えるようにご支援することで、クライアント企業の経営課題の解決を実現しています。

 どんな仕事であっても、再現性の高い業務判断を行うためには、勘や経験の世界をデータによって補強する必要があります。当社はお客様のデータ利活用の検討、業務変革支援、データ蓄積や分析基盤の構築や業務アプリ快活により、一気通貫でサポートすることによって、人間が行う判断業務のアップグレードを行うことを目指しています。

 データを用いて論理的に考え、合理的に判断するデータインフォームドの市場は、今後も成長することが予想されますので、当社もその成長の波に乗っていきたいと考えています。

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データによって日本の課題解決に貢献していく

 ―― 今は独立して10年が経ったわけですが、この間の手応えはどう感じていますか。

 網野 まだまだだとは思いつつも、最近はいろいろなご相談を持ち込んでいただく機会が増えてきたので、その意味では一定の成果は出せているのではないかと考えています。

 ときどき誤解されるのですが、決して、われわれは勘や経験を否定しているわけではありません。勘や経験はすごく重要な経営の意思決定の手法だと思っているんですが、そこにデータを加えた方が、効率的だし、効果的だと思うんですよね。データに基づいて判断した方が勝つ確率も高まると思いますので、われわれはそこを追求していこうと考えています。

 ―― 特に日本は労働人口が減少し、日本企業の生産性向上が求められますからね。

 網野 ええ。これまで生産性というと、労働組合との対立構造のような話になりがちだったんですけど、もうそういう話ではないのではないでしょうか。今と同じサービスを維持しようと思ったら、劇的に生産性を上げないことには5年後、10年後の未来はありません。

やるかやらないかではなく、やらないと始まらないところまで来ていますから、われわれも微力ながら日本の生産性を向上させるためのお手伝いをし、データ活用によって日本の課題解決に貢献していきたいと考えています。

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