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旭化成が10年前に買収した米ゾールの売上高が4倍に成長

財界オンライン 2022年12月15日 11時30分

「旭化成グループ入りして10年、一貫して成長を続けることができた」と話すのは、旭化成の米子会社のゾール・メディカルCEO(最高経営責任者)のジョナサン・レナート氏。

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 ゾールは2012年に旭化成が約1800億円を投じて買収した企業。AED(自動体外式除細動器)や人工呼吸器など、救命救急で使われる心肺蘇生関連機器を手掛けている。

 買収当時の売上高約670億円が、旭化成グループ入りして10年が経ち約4倍に増加。

 特にコロナ禍にあっては人工呼吸器の供給に奔走。「半年で12年分の人工呼吸器を生産した」(レナート氏)というほど。

 また、心不全や急性心筋梗塞で命を落とす人は多い。日本でも昨年度に約12万6000人が心停止で亡くなっている。

 そこで日本でも普及が進んでいるのがAED。医療従事者でなくても扱える操作性を備えている他、未就学児にも使用できるなど、製品は進化している。 マラソン大会で心臓発作を起こして倒れた男性が、ゾール社のAEDで命を救われたことがあったが、この男性はその後、大会に来場して、AEDの重要性を語ってくれている。

 さらに今、新たな分野として開拓しているのが「睡眠時無呼吸症」。この症状と心血管の状態を悪化させるという研究結果が示されているが、多くの人が未診断、未治療なのが現状。

 そこで成人における中等度から重度の睡眠時無呼吸症の治療用としてデバイス「レメディー システム」を開発。植え込み型としてFDA(米食品医薬品局)で唯一承認されている。

 レナート氏はゾール入社15年で、買収時を知る人物だが当時、周囲から「買収されるとは思わなかった」と言われたと振り返る。「M&A(合併・買収)の成功例」と言われるが今後、日本市場を深耕するなど、さらなるシナジーの発揮が求められる。

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