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都が打ち出した「臨海地下鉄」 運営主体を巡って様々な観測

財界オンライン 2022年12月28日 11時30分

東京都心で新たな地下鉄構想が動き出した。知事の小池百合子氏が東京駅から臨海部につながる「臨海地下鉄」の計画案を発表。数寄屋橋付近、築地市場跡地、勝どき、五輪選手村跡地、豊洲市場を経由して東京ビッグサイトへと至る。 

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 勝どきに住む会社員は「今の勝どき駅はコロナ禍でも混雑している。他に代替手段がなかったため期待できる」と話す。銀座から勝どき方面に向かうためには、遠回りする都営大江戸線を除けばバスしかない。 

 ただ建設費は膨大だ。都の発表では約4200億~約5100億円。臨海地下鉄の全長が約6㌔であるため、1㌔当たりの建設費は約700億~850億円に達する。それでも動き出したのは「世界から人、企業、投資を呼び込み、東京と日本の持続的成長を牽引する臨海部と区部中心部をつなぐ基幹的な交通基盤としての役割を担うことが期待される」(関係者)からだ。 

 さらに今後の検討事項として秋葉原から東京への延伸構想がある「つくばエクスプレス(TX)」や羽田空港への接続も挙げている。そこで注目されているのが「事業主体がどこになるか」(民鉄関係者)ということ。 

 小池氏からは運営に関する言及はなかったが、まず名が挙がるのは都営地下鉄を運営する東京都交通局と東京メトロ。さらに「事業性の向上」(東京都)が見込まれるTXや羽田空港アクセス線を建設中のJR東日本だ。 

 ただ、東京メトロは建設が決定した有楽町線と南北線の延伸を抱える。かねてより「新線建設はやらない」との姿勢を打ち出しており、どこまで関与されるかが注目される。TXの秋葉原からの延伸やJR東日本の羽田空港アクセス線はそれ自体が臨海地下鉄構想とは別のプロジェクトのため可能性は低そうだ。 

 順当にいけば都交通局だが、「東京臨海高速鉄道も注目される」(関係者)。同社は都が9割以上を出資する第三セクターで「りんかい線」を運行する。同線は地下を走り、羽田空港アクセス線との接続が実現すれば国際展示場駅でつなげられる。 

 いずれにしても、東京の国際競争力の強化に資する一大プロジェクト。どう折り合いをつけていくか。言い出しっぺの小池氏の腕の見せ所となる。

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