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”英語コーチング”で株式上場! 『プログリット』社長・岡田 祥吾

財界オンライン 2022年12月27日 11時30分

社名の『プログリット』はGrit(やり抜く)にProceed(進む)やProgress(進歩・発達)にも付くPro(前に)を組み合わせた造語。「かつて、自分自身が英語で苦しんだことがあった」とその体験も踏まえて、”やり抜く”ことが大事と語る。今、生き方・働き方改革がいわれ、リスキリングやリカレント教育(社会全体での学び直し)が企業経営の間でも強く認識されるようになってきた。企業研修の場での英語学習ニーズの高まりに応えるための投資を積極的に進める方針。株式上場も、「そうした企業ニーズを取り込むための投資資金の調達という意味合いもありました」と語る。


『英語コーチング』で 

 英語学習サービスを提供する会社は非上場会社が多い中、2022年9月東証グロース市場に株式を上場。公開価格730円に対し、初値は1180円を付けるなど、市場も同社の英語学習方法に期待を寄せた。 

 同社は、事業内容に〝英語コーチングサービス〟、サブスクリプション(継続課金)型英語学習サービスを謳う。提供するサービスは『英語コーチング』という考え方。一般的に英会話スクールは、先生が教え込んでいくというやり方だが、同社の場合は、「利用者一人ひとりにコンサルタントが付きます」というサービス。 

「エッセンシャルな英会話は全体の10%程度で、コンサルティングの伴う自学自習が90%という構成です。自学自習のアプリも、わたしどもが開発したものを提供しています」 

 コンサルタントは学習計画を立て、利用者の学習の継続を徹底支援するという仕組み。リスキリングやリカレント教育(社会全体での学び直し)の必要性が盛んに言われる今、そうした時代の要請にも応えるサービス構成。 

「利用者は1日に2~3時間の自学自習をします。早朝に学習する方々が多いですね」 

 コンサルタントとリアルに接する場としての校舎も東京を中心に展開(2022年11月現在、関東は東京6校舎、横浜1校舎の計7校舎。このほか、名古屋、大阪に各1校舎を設置)。 

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 グローバル化が進む中で、英語力を高めなければ、生きていけないという思いがあっての起業。思い立ったら、行動に移すタイプ。 

 大阪大学工学部で電子情報工学を専攻。卒業後、米国シアトルのカレッジに1年間留学。マッキンゼーを経て、25歳で会社を設立という足取り。 

「自分自身もかつて英語で苦しんだことがあります。英語でコミュニケーションが取れるようになると、自分に自信が付いてくる」と自らの体験が起業のきっかけになったと語る。 

 創業(2016年9月)から6年後の2022年9月東証グロース市場に株式を上場。創業初年度は売上高1億円。それが2年度に7億円、そして3年度に17億円と成長してこられたのも、〝英語コーチング〟という学習方法が人々に受け入れられたからだという思い。 

 コロナ禍の影響もあって、2021年8月期は赤字決算(売上高19億8100万円、営業損失約4500万円)となった。しかし、2022年8月期は売上高22億5200万円、営業利益3億2600万円と再び黒字基調に戻した。校舎の新設、あるいは閉鎖も含めて、今後、投資は状況を的確に見極めながら、「経営のカジ取りをしていきたい」と語る。 

 英語学習のニーズを今後、どう的確に捉えていくか――。 

 スマホで自学自習ができる時代とあって、個人ベースでの英語学習熱が高まり、そうした個人の顧客をこの6年間獲得してきた。これからは、個人の顧客をも増やしつつ、「企業の研修市場を見据えて」成長を図っていく考えだ。 

 現在、社員数は約150人。うちコンサルタントは80人強。「企業研修のニーズ増加に応え、さらにコンサルタントを増やしていきたい」と〝人への投資〟にも注力。足元をしっかり固めながらの攻めの経営が続く。

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