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東急・野本弘文会長が語る2023年 「気付きの連鎖が生まれるリアルな場所づくりを!」

財界オンライン 2023年1月19日 15時0分

─ 2022年に創立100年を迎えた東急会長の野本弘文さん、コロナ禍の影響は。 

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 野本 当社が手掛ける鉄道、ホテル、百貨店といった生活サービス、エンターテインメントは、どの事業も人が集まれば集まるほど良くなる事業です。しかし、それが完全に逆の方向に向かってしまった。何とか耐えてきましたが、次にどんな手を打っていくかが大事になります。 

 ─ 次の手を打っていくにあたり大事なこととは。 

 野本 当社はバブル崩壊当時も大変厳しい時代でした。それまでの拡大路線による過剰投資で選択と集中を迫られたのです。不採算事業の整理が一段落した07年頃から新たな羅針盤を掲げた成長戦略を始めました。それが本拠地の渋谷や沿線の二子玉川、たまプラーザなどでの再開発になります。 

 現在の当社に大切なことは、これまでの経験を次の世代に「つなぐ」ことです。その際に大事になってくるのが「想像力」と「創造力」という2つのソウゾウリョクだと言っています。 

 ─ オフィスと働き方の関係はどうなりますか。 

 野本 私が30年前にメディア事業をやっていたときから「SOHO(スモールオフィス、ホームオフィス)」という言葉がありました。コロナを経て駅の近くに自分の働くスペースがあり、家ではできない仕事ができるシェアオフィスが求められてくるのではないかと。 

 仲間だけで集まる会議が行える拠点も必要になるでしょう。そこで当社は法人向けのシェアオフィスを展開し、駅の近くに100平米ほどのスモールオフィスを展開することも検討しています。週に1~2日は本社に行き、同じく1~2日は本社に行かずにサテライトオフィス、その他は自宅で働く。そういったワークスタイルができると思います。 

 ─ 3拠点で働く環境を変えると。 

 野本 はい。そうすると、オフィス自体の1人当たりの面積は増えてきますし、1人当たりのクリエイティブスペースも必要になってくるでしょう。かつてオフィスは作業をする場所でしたが、今はオフィスそのものが付加価値を生産する場所に変わってきているのです。渋谷のオフィスでは、それができるようなスペースを配慮しました。 

 ─ 渋谷にはGMOインターネットグループやサイバーエージェントといったIT企業も多いですからね。 

 野本 ええ。そういった企業からも人とコミュニケーションを取ることによって気付きの連鎖が生まれるような場所が欲しいとオファーされています。そういったリアルの場所をわれわれは提供していこうと思っています。

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