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NEC系シンクタンク・藤沢久美さんの提言「2023年は日本が頑張る最後のチャンス」

財界オンライン 2023年1月10日 18時0分

 ─ 国際社会経済研究所理事長の藤沢久美さん、シンクタンクの立場から見た日本の現状をどのように捉えていますか。 

 藤沢 日本は〝失われた30年〟と言われて、本当に最後の最後の末期症状に来ているのではないかと思っています。変わらなければならないと言いながら30年が経って、その間に世界はデジタル革命が起こり、圧倒的に先を行かれてしまいました。 

 ですから、23年というのは、本当に日本が頑張る最後のチャンスであり、変革の最初の年にしなければならないだろうと考えています。 

 ─ では、変革はどこから着手すればいいのか。 

 藤沢 やはり、改めて、日本の強みを見直して、それをどのように世界へ貢献していくかだと思います。 

 いろいろな意見はありますが、日本の技術力はまだまだ十分に高いと思いますし、アナログであろうと、デジタルであろうと、緻密にモノをつくる技術やそういう技術を持った人材はまだ日本にいますよね。 

 もう1つは、日本はネガティブな意味で曖昧であるとか、ブレていると言われるんですが、合わせる力に長けています。これから世界がブロック経済化していき、多くの経済圏が出てくる中で、日本はどちらにつくかという話ではなく、うまくそれぞれを連携させる役割があるのではないかと。 

 それが世界に求められる日本の役割だと思いますし、それが強みだと思います。 

 ─ コーディネーター能力というか、調整力というか。 

 藤沢 はい。やはり、つなぐ力であり、共存の思想です。 

 一方で、日本の課題は決められないところです。決められないからスピードが遅いし、組織の硬直化が見られます。その辺はリーダーの問題ですよね。何だか日本のリーダーは短期的で、視野が狭くなっているように感じます。 

 もっと世界で起こっていることや歴史観を共有して、長期的な視野で物事を判断していくべきだと思います。 

 ─ 本来、日本人は長期視点の思想があるはずですよね。それと藤沢さんから見て、今の起業家育成や女性活躍の現状はどのように感じていますか。 

 藤沢 やはり、世界に比べたらまだまだですよね。それを変えるのもトップの意識だと思います。やはり、女性が当たり前に活躍する会社にするという覚悟がトップにないと、下からそういう空気をつくるのは難しいです。また、大企業の硬直した組織下では新規事業を社内で育成するのは難しいので、大企業は外のスタートアップに投資をしたり、事業連携を数多く実施していくことが、結果的に新事業につながるのではないかと考えています。

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