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クリーク・アンド・リバー社・井川幸広社長が語る2023年「会社の理念が問われる年に」

財界オンライン 2023年1月26日 11時30分

─ クリーク・アンド・リバー社社長の井川幸広さんは、東京ニュービジネス協議会(NBC)会長として、新しい産業を掘り起こす役割を担っていますが、ベンチャー育成の現状をどのように捉えていますか。 

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 井川 今はすごく面白い時代になってきたと思います。今までの古い秩序がどんどん壊れていって、新しい価値観がどんどん芽生えていくという、壊れるエネルギーと育つエネルギーが一気に爆発するのが23年中に来るかな、と考えています。 

 その時に、やはり世の中の変化に対応できる会社や、柔軟性を持った組織がすごく大事になってきます。だから、組織の中の一番根本を占める理念が問われる年になってきたという感じがします。 

 ─ ベンチャー企業経営者は、そういう理念を持っている人が多いですか。 

 井川 日本の会社は理念経営を大事にしています。だから日本には100年以上続いている会社が多いですよね。100年経てば、戦争を含めていろいろなことがあったと思うのですが、それでもきちんと存在してきたのは、会社の中に芯のようなものがあったからだと思いますし、そういう会社が強いのだろうと思います。 

 ─ 日本になぜ、GAFA(グーグル、アップル、フェイスブック=現メタ、アマゾン)が育たないかという声は以前からあるのですが、この辺の日本の課題はどう考えていますか。 

 井川 そこはあまり深く考える必要はないと思います。会社は大きければいいというわけでもないですし、少数精鋭でもしっかり成長している会社はたくさんあります。 

 地理的に日本は島国で、言葉の問題やハンディキャップがあるので、文化の壁を超えながら海外に出ていくのは大変なことです。もちろん、海外に出ていくのはいいのですが、皆がそこに行く必要はありません。 

 私はグローバリズムが進む一方で、ナショナリズムみたいなものが出るだろうと思っていて、日本はやはり世界に誇る良い文化を持っています。聖徳太子の「和を以て貴しとなす」ではないですけど、いろいろな文化や慣習を受け入れる度量があります。日本ならではの技術を使って世界で活躍出来るクリエイターが意外と多いのです。 

 それはたぶん一神教とは違って多神教のような、そういったいいとこ取りができて、しかも人間関係がしっかり作れるような民族だからだと思いますね。だから、何もグローバリズムという目標を立てなくても、日本の良いところを守りながら、十分世界に貢献できる会社ができるだろうと考えています。

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