ITの進化はこれからも続く!
─ GMOインターネットグループ代表の熊谷正寿さん、技術革新が進む一方、暗号資産(仮想通貨)交換業大手のFTXトレーディングが経営破綻したりする中で、ブロックチェーン(分散型台帳技術)や暗号資産の将来図をどのように見通しますか。
熊谷 今は「WEB3」時代と言われており、22年に沸騰した流れはしばらく続くと思います。一方、期待が大きすぎると、その期待に応えられない時期がやってきます。これを「ハイプ・サイクル」と言いまして、新しいIT技術が社会にどれくらい浸透しているかを図る指標で、黎明期、過度な期待が生じる沸騰期、幻滅期、啓発期、安定期に分類されるんですね。
インターネット自体もそうですが、一旦期待が立ち上がって、周りで沸騰し、幻滅してから、通常の需要として定着しました。
その中で、特にNFT(非代替性トークン)が間もなく幻滅期に入ると言われていて、一旦沸騰したんですが、これから幻滅期に入って、技術が徐々に社会に組み込まれていくんです。
その意味では、幻滅期は世の中に必要な企業やベンチャーかどうかをふるいにかける期間だと思っていますので、私はIT自体の未来は心配していません。
─ 「WEB3」が調整局面に入ったということですか。
熊谷 ええ。「WEB3」時代でも栄枯盛衰はありますが、いま「WEB」を支えている源泉は金銭欲です。「WEB1・0」はインターネットの普及によって情報を得ることが容易になり、知識欲が生まれた。「WEB2・0」はSNS(交流サイト)が出てきて誰もが情報発信でき、自己顕示欲が生まれた。しかし、現在の「WEB3」は儲けたいという投資欲が、世界中の方々を駆り立てているわけです。お金を優先している段階は調整期のシグナルと言えます。
この局面を乗り越え、お金ではなく「人の幸せを生み出す」技術として世の中に浸透することで、「WEB3」も安定期に入るんです。だから、私はITの進化はこれからも続くと思いますし、ITの本格活用はまだまだ広がっていくと確信しています。
─ それと働き方改革ですね。アフターコロナで、リアルの出社とオンラインの関係をどう考えていきますか。
熊谷 これはハイブリッド型でいいと思います。人類はコロナ禍を経て、最適解を探している最中です。ただ、私はコミュニケーションはやはり、リアルが原則だと思っていまして、出社とオンラインのどちらか一方ではなく、テクロジーを使いながら、各々が最適解を探していけばいいのだと思います。
【2023新春インタビュー】安永竜夫・三井物産会長を直撃!
─ GMOインターネットグループ代表の熊谷正寿さん、技術革新が進む一方、暗号資産(仮想通貨)交換業大手のFTXトレーディングが経営破綻したりする中で、ブロックチェーン(分散型台帳技術)や暗号資産の将来図をどのように見通しますか。
熊谷 今は「WEB3」時代と言われており、22年に沸騰した流れはしばらく続くと思います。一方、期待が大きすぎると、その期待に応えられない時期がやってきます。これを「ハイプ・サイクル」と言いまして、新しいIT技術が社会にどれくらい浸透しているかを図る指標で、黎明期、過度な期待が生じる沸騰期、幻滅期、啓発期、安定期に分類されるんですね。
インターネット自体もそうですが、一旦期待が立ち上がって、周りで沸騰し、幻滅してから、通常の需要として定着しました。
その中で、特にNFT(非代替性トークン)が間もなく幻滅期に入ると言われていて、一旦沸騰したんですが、これから幻滅期に入って、技術が徐々に社会に組み込まれていくんです。
その意味では、幻滅期は世の中に必要な企業やベンチャーかどうかをふるいにかける期間だと思っていますので、私はIT自体の未来は心配していません。
─ 「WEB3」が調整局面に入ったということですか。
熊谷 ええ。「WEB3」時代でも栄枯盛衰はありますが、いま「WEB」を支えている源泉は金銭欲です。「WEB1・0」はインターネットの普及によって情報を得ることが容易になり、知識欲が生まれた。「WEB2・0」はSNS(交流サイト)が出てきて誰もが情報発信でき、自己顕示欲が生まれた。しかし、現在の「WEB3」は儲けたいという投資欲が、世界中の方々を駆り立てているわけです。お金を優先している段階は調整期のシグナルと言えます。
この局面を乗り越え、お金ではなく「人の幸せを生み出す」技術として世の中に浸透することで、「WEB3」も安定期に入るんです。だから、私はITの進化はこれからも続くと思いますし、ITの本格活用はまだまだ広がっていくと確信しています。
─ それと働き方改革ですね。アフターコロナで、リアルの出社とオンラインの関係をどう考えていきますか。
熊谷 これはハイブリッド型でいいと思います。人類はコロナ禍を経て、最適解を探している最中です。ただ、私はコミュニケーションはやはり、リアルが原則だと思っていまして、出社とオンラインのどちらか一方ではなく、テクロジーを使いながら、各々が最適解を探していけばいいのだと思います。
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