冷凍マグロの鮮度を世界で初めて非破壊評価
多くの日本人が大好きなマグロ。近年は海外でもマグロ愛好家が増加、日本食ブームなども相まって、高品質なマグロの需要が高まっている。
「マグロの産業はグローバルで5兆円の大きなビジネス。この中で、品質の判断や管理が課題になっている。当社が蓄積してきた超音波AI(人工知能)の技術と、東海大学の深い知見を掛け合わせることで、グローバルなマグロの流通に信頼をもたらすことができるのではないかと考えている」
こう語るのは、富士通研究本部人工知能研究所所長の穴井宏和氏。
富士通が東海大学海洋学部水産学科教授の後藤慶一氏との共同研究により、超音波AI技術を活用することで、尾びれを切らずに冷凍マグロの鮮度を評価することに成功した。冷凍状態のまま、非破壊で評価できたのは世界で初めてだという。
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1950年代まで約50万㌧だった世界のマグロ漁獲量は、今では400万㌧超。2020年には5万㌧以上を漁獲・生産する国は15カ国に上り、マグロの需要は日本のみならず、世界で大幅に増加している。今回の共同研究では、マグロの身を切ることなく、冷凍マグロの価値を維持しながら、場所を問わず誰でもマグロの品質評価を行うことを目指している。
富士通と東海大学は今後、マグロの検体数を増やすことで超音波AI技術の精度向上を図るとともに、血栓や腫瘍などの鮮度不良以外の異常検知にも取り組んでいく考え。また、サーモンなど他の魚にも技術を応用できないかや、冷凍物を扱う畜産業や医療・バイオ分野などへも応用できないかを探っていく。
富士通研究本部人工知能研究所自律学習プロジェクトの酒井彬氏は「アセアンではきちんとした検査がなされずに出回っている結果、付加価値の低いツナ缶の状態で市場に出回っている。ツナ缶ではなく、刺身になると価格が4倍くらい変わってくるので、こういうところに検査装置を入れていくと、検査の市場も大きく立ち上がるのではないかと。個人的に海外で美味しいマグロに出会ったことは無いので、品質がよく、全世界でおいしいマグロが食べられるようになれば素晴らしいことだと思う」と語る。
国内ITサービス首位の富士通。社長の時田隆仁氏が目指すのは、受託開発や機器を販売するだけのICT企業から、自ら提案し、社会課題の解決を図るDX企業への転換。今回の取り組みはAIの活用事例の一つ。こうした事例を数多く出していくことが、同社ならではの社会課題解決法になるのだろう。
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こう語るのは、富士通研究本部人工知能研究所所長の穴井宏和氏。
富士通が東海大学海洋学部水産学科教授の後藤慶一氏との共同研究により、超音波AI技術を活用することで、尾びれを切らずに冷凍マグロの鮮度を評価することに成功した。冷凍状態のまま、非破壊で評価できたのは世界で初めてだという。
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富士通と東海大学は今後、マグロの検体数を増やすことで超音波AI技術の精度向上を図るとともに、血栓や腫瘍などの鮮度不良以外の異常検知にも取り組んでいく考え。また、サーモンなど他の魚にも技術を応用できないかや、冷凍物を扱う畜産業や医療・バイオ分野などへも応用できないかを探っていく。
富士通研究本部人工知能研究所自律学習プロジェクトの酒井彬氏は「アセアンではきちんとした検査がなされずに出回っている結果、付加価値の低いツナ缶の状態で市場に出回っている。ツナ缶ではなく、刺身になると価格が4倍くらい変わってくるので、こういうところに検査装置を入れていくと、検査の市場も大きく立ち上がるのではないかと。個人的に海外で美味しいマグロに出会ったことは無いので、品質がよく、全世界でおいしいマグロが食べられるようになれば素晴らしいことだと思う」と語る。
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