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【財務省】少子化対策が新たな〝火種〟? 防衛増税に続く国民負担増か

財界オンライン 2023年2月1日 15時0分

財政運営を担う鈴木俊一財務相にとって今年は近年にない正念場に直面するかもしれない。防衛費増額を巡る財源確保に向けた議論を踏まえた政府・与党内の調整に加え、岸田文雄首相が1月4日の年頭記者会見で「異次元」の少子化対策に「挑戦」すると明言したためだ。

 首相の少子化対策に関連し、自民党税調幹部である甘利明前幹事長が消費税増税の可能性に言及。政府はすかさず「当面(消費税には)触らない」(松野博一官房長官)と火消ししたものの、防衛増税に続く負担増の可能性が浮上したことで、少子化対策が新たな〝火種〟になれば、政府・与党内で調整が難航する可能性もある。

 鈴木氏は6日の閣議後会見で、少子化対策強化を裏付ける予算確保について「恒久的な施策には恒久的な財源が必要」と指摘。「国民各層の理解を得ながら社会全体で負担の在り方を含め幅広く検討が必要だ」と述べ、6月の経済財政運営の指針「骨太方針」で財源確保の道筋を示す考えを示した。

 ただ、鈴木氏のいう「恒久的な財源」の確保は容易ではなさそうだ。財務省は子供予算の倍増は「あり得ない」(幹部)と慎重姿勢だ。

 首相は4日の会見で少子化対策の筆頭に児童手当など経済支援強化を上げたが、主計局幹部は「児童手当を拡充しても出生率が上向かないのは明らか」とし、別の幹部は「バラマキでしかない」と警戒する。

 財源を巡っては、鈴木氏は6日の会見で「医療保険や雇用保険の関係、国と地方の役割分担などいろいろな論点がある」と語っており、少子化対策は育児休業中の収入補填の対象を大幅拡大する方向になるもようだ。

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