豊富なグローバル経験
先行投資の時期から収益獲得の時期へ─。そんな移行期にある第一三共が社長交代を決めた。4月1日付で新社長兼COOに取締役専務執行役員経営企画・管理本部長CFOの奥澤宏幸氏(60)が就任。現社長兼CEOの眞鍋淳氏(68)は代表権のある会長兼CEOに就任する。
【地域に根差す中小企業を傘下に】医療機器卸大手・メディアスホールディングス・池谷 保彦社長の「〝富山の薬売り〟のシステムで医療機関を支える黒子役に」
社長交代の背景にあるのは主力抗がん剤「エンハーツ」の実用化など、がん事業の拡大に道筋がついたことだ。眞鍋氏は17年の社長就任後、それまで循環器系の医薬品が主力だった中で、がん事業に本格参入。20年からエンハーツを実用化した。
エンハーツは既に年間売上高1000億円を超える「ブロックバスター」に成長。エンハーツは低分子薬とバイオ薬を結合させる抗体薬物複合体(ADC)だが、その難易度の高さから欧米のメガファーマは次々と諦めていったが、第一三共はそれに懸けた。今ではADCに関する高い化学合成技術が強みだ。
眞鍋氏は「これまでに経験したことのないレベルでグローバルでの急速な利益拡張拡大期を迎える」と語り、奥澤氏も「世界の市場は米国が全世界の医薬品市場の半分強を占めており、それに続く形でEU、中国、そして日本と存在している。市場の比率に応じて製品の売り上げ、リターンが期待できる」と話す。
奥澤氏は製薬業界では珍しく一橋大学社会学部卒業と文系出身。三共(当時)入社後はヨーロッパの統括会社があるドイツに延べ8年間駐在し、アジア、中南米事業の責任者を務めるなどグローバルでの経験が豊富だ。
社内からは「誠実の塊のような人」と言われる奥澤氏。25年度に売上収益1兆6000億円、がん製品の売上収益6000億円以上を目指して、いかに世界に売るかが勝負となる。
先行投資の時期から収益獲得の時期へ─。そんな移行期にある第一三共が社長交代を決めた。4月1日付で新社長兼COOに取締役専務執行役員経営企画・管理本部長CFOの奥澤宏幸氏(60)が就任。現社長兼CEOの眞鍋淳氏(68)は代表権のある会長兼CEOに就任する。
【地域に根差す中小企業を傘下に】医療機器卸大手・メディアスホールディングス・池谷 保彦社長の「〝富山の薬売り〟のシステムで医療機関を支える黒子役に」
社長交代の背景にあるのは主力抗がん剤「エンハーツ」の実用化など、がん事業の拡大に道筋がついたことだ。眞鍋氏は17年の社長就任後、それまで循環器系の医薬品が主力だった中で、がん事業に本格参入。20年からエンハーツを実用化した。
エンハーツは既に年間売上高1000億円を超える「ブロックバスター」に成長。エンハーツは低分子薬とバイオ薬を結合させる抗体薬物複合体(ADC)だが、その難易度の高さから欧米のメガファーマは次々と諦めていったが、第一三共はそれに懸けた。今ではADCに関する高い化学合成技術が強みだ。
眞鍋氏は「これまでに経験したことのないレベルでグローバルでの急速な利益拡張拡大期を迎える」と語り、奥澤氏も「世界の市場は米国が全世界の医薬品市場の半分強を占めており、それに続く形でEU、中国、そして日本と存在している。市場の比率に応じて製品の売り上げ、リターンが期待できる」と話す。
奥澤氏は製薬業界では珍しく一橋大学社会学部卒業と文系出身。三共(当時)入社後はヨーロッパの統括会社があるドイツに延べ8年間駐在し、アジア、中南米事業の責任者を務めるなどグローバルでの経験が豊富だ。
社内からは「誠実の塊のような人」と言われる奥澤氏。25年度に売上収益1兆6000億円、がん製品の売上収益6000億円以上を目指して、いかに世界に売るかが勝負となる。