通常国会が始まった。立憲民主党や日本維新の会など野党は防衛増税反対で足並みをそろえ、自民党の有力議員にも増税方針に懐疑的な見方は少なくない。首相の岸田文雄は大胆な政策を打ち出して流れを変えようと懸命だが、財源の裏付けがなければ絵に描いた餅に終わりかねず、ジレンマに陥っている。この先、岸田は党内外からの揺さぶりに動じることなく指導力を発揮できるのか。4月に投開票される統一地方選と衆院補選が足場固めの最初の関門になる。
【政界】岸田政権の正念場 経済再生、安全保障、そして財政難をどう解決するか?
発案者は誰だ?
「急速に進展する少子化により昨年の出生数は80万人を割り込むと見込まれ、わが国は社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際と呼ぶべき状況に置かれている。子ども・子育て政策への対応は待ったなしの先送りの許されない課題だ」
岸田は1月23日、衆参両院本会議での施政方針演説で、子ども・子育て政策への意気込みを語った。ただ、同月4日の年頭記者会見で宣言した「異次元の少子化対策に挑戦」というフレーズは演説にはなかった。
首相に近い自民党幹部がその意図を解説する。「『異次元』にはどうしても増税のイメージがつきまとうからね」
異次元と聞いてすぐ思い浮かぶのは日銀の「異次元の金融緩和」。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の柱だ。永田町では「安倍晋三元首相への現政権のリスペクトの表れでは」などと話題になったが、首相官邸の官僚は一様に「私が提案したのではない」と口をつぐんだ。どうやら発案は官房副長官の木原誠二だったらしい。
年頭会見では、岸田は「6月の骨太の方針(の策定)までに、将来的な子ども予算倍増に向けた大枠を提示する」とも表明した。しかし、その翌日、前幹事長の甘利明がBSテレ東の番組で「子育ては全国民が関わることだ。将来の消費税(増税)も含めて、地に足をつけた議論をしていかなければならない」と述べたことから、にわかに雲行きが怪しくなった。
岸田が政権発足時に幹事長に起用したのが甘利だ。消費税率引き上げに言及したら臆測を呼ぶのは当然だろう。甘利は自身のツイッターで「報道はミスリード」と火消しに回ったが、後の祭り。岸田と距離を置く前首相の菅義偉は1月18日、ラジオ日本の番組で「(国民に)理解されない。これだけの物価高の中で消費税の議論はあり得ない」と批判した。
バラ色の政策競い
とはいえ「異次元の少子化対策」を早々に棚上げしたと突っ込まれてはまずいと思ったのか、岸田は施政方針演説で言い回しを変えた。「年齢・性別を問わずみんなが参加する従来とは次元の異なる少子化対策を実現したい」。ややマイルドになった印象だ。
防衛費増額の財源に関しても「歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入の確保などの行財政改革の努力を最大限行った上で、それでも足りない約4分の1については、将来世代に先送りすることなく、今を生きるわれわれが将来世代への責任として対応していく」と述べ、「1兆円の増税」を明言しなかった。岸田が増税批判に神経をとがらせていることがうかがえる。
少子化対策は、昨年末の防衛費増額を巡る議論のあおりでおろそかになっていた分野だ。岸田にしてみれば、せっかくそこに注力する考えを示したのに、消費増税と絡めて批判されたら統一地方選で与党に逆風が吹きかねない。
岸田がこども政策担当相の小倉将信に指示した基本的方向性は①児童手当を中心とした経済的支援の強化②すべての子育て家庭を対象としたサービスの拡充③働き方改革の推進とそれを支える制度の充実─の三本柱だ。これを受けて政府は1月19日、こども予算の強化に関する関係府省会議の初会合を開いた。
東京都知事の小池百合子は岸田の年頭会見と同じ1月4日、東京都内の0~18歳に1人当たり月5000円を給付すると表明し、2023年度当初予算案に必要額を計上した。
24年夏の都知事選対策という指摘はあるが、政府に先んじたのは間違いない。小池は同13日の記者会見で「国が遅いだけの話。ずっと議論ばっかりしていると間に合わない」と余裕たっぷりに語った。
小池の挑発を意識したわけではないだろうが、岸田も児童手当を小倉への指示の一番目に持ってきた。
児童手当の月額は、0~2歳が一律1万5000円、3歳~小学生が1万円(第3子以降は1万5000円に増額)、中学生が一律1万円だ。政府関係者は「金額を大幅に増やせばすぐに異次元に達するが、財源論が難しい」と冗談交じりに語る。
例えば夫婦と子ども2人の世帯では、主たる生計者の年収が960万円以上の場合、児童手当は1人当たり月額5000円の特例給付に変わる。年収1200万円以上の世帯には給付はない。自民党幹事長の茂木敏充は1月25日、衆院本会議での代表質問で「すべての子どもの育ちを支えるという観点から、所得制限を撤廃するべきだ」と提起し、野党を驚かせた。
小倉は答弁をはぐらかしたが、旧民主党政権時代、自民党は子ども手当を「バラマキ」と批判した経緯があるだけに、政策を転換するなら国民への十分な説明が必要だ。
公明党は昨年11月に発表した「子育て応援トータルプラン」で、児童手当の対象年齢を18歳まで拡大するよう提案した。これを含めてプランに盛り込んだ施策をすべて実現するには、国と地方を合わせて少なくとも約6兆円を超える追加の財源がいると試算している。
子育ては統一地方選を国政選挙並みに重視する公明党の看板政策だが、同党も増税批判には敏感だ。代表の山口那津男は「何をやるかを国民にしっかり提示し、コンセンサスを作ることが一番重要だ。いきなり財源や費用(の議論)に行くことはかえって国民の誤解や混乱を招きかねない」と党幹部にクギを刺した。与党は統一地方選が終わるまで財源論を棚上げする方針だ。
「派閥抜けないのか」
自民党は政調会長の萩生田光一のもとに特命委員会を設置し、防衛費増額の財源の議論を開始した。そこでは、増税に頼らず国債の「60年償還ルール」を見直す案が浮上している。
萩生田は昨年12月、訪問先の台湾で「例えば(償還を)80年に延ばすことによって生み出されるお金を防衛費に回すことも一つの選択肢として検討に値する」と同行記者団に語った。80年に延長すれば年間4兆円を確保できると見込んでおり、党内でこの案を支持する議員は少なくない。萩生田と同じ安倍派で参院幹事長の世耕弘成も後押しする。
しかし、政府は否定的だ。官房長官の松野博一は1月12日の記者会見で「仮に償還年数を延ばした場合、毎年度の債務償還費が減少する分、一般会計の赤字公債は減るが、特別会計で発行している借換債が増えることから、全体として国債発行額は変わらない。財政に対する市場の信認を損ないかねないなどの論点もある」と述べ、党側の議論と一線を引いた。
満期を迎えた国債を現金で一括償還するのは難しい。そこで発行残高の約60分の1(1.6%)に当たる償還費を毎年、一般会計から特別会計に繰り入れることが法律で決まっており、残りは借換債を発行して返済している。23年度当初予算案には約16兆円の償還費を計上した。この償還費を減らしたり廃止したりして防衛費を捻出しても、その分、借換債の発行が増えるというのが松野の主張だ。
では、首相官邸と自民党は今後、全面対決するのか。同党の中堅議員は「萩生田さんは、償還ルールの見直しは党内若手の提案だと言っている。つまり、実現しなくても自身の政治的敗北にはならない。議論するだけだろう」と冷静な見方を示す。
ただ、党内には不穏な動きも出始めた。前首相の菅は月刊誌『文藝春秋』2月号で、首相就任後も派閥を離脱しない岸田を「派閥政治を引きずっているというメッセージになって、国民の見る目は厳しくなる」と批判した。
野党時代に宏池会(現岸田派)を飛び出した後、無派閥で活動してきた菅としては持論を述べただけかもしれないが、非主流派に甘んじている元幹事長の二階俊博との関係は今も良好で、周囲は「いよいよエンジンがかかってきた」と期待する。
官房副長官の木原は1月22日、フジテレビの番組で「政策集団の声を聞くというのも国民の声を聞く一環だ」と岸田を弁護した。党内基盤が強くない岸田が岸田派をよりどころにするのはやむを得ない面もある。
台風の目は維新
国会では立憲民主党や日本維新の会などが防衛増税反対で結束し、統一地方選をにらんで与野党対決が激しくなりそうだ。とはいえ、与党は衆参両院で多数を占めており、一般会計の歳出総額が約114兆円と過去最大の23年度当初予算案は、年度内成立が危ぶまれる状況ではない。
自民党は防衛費増額や少子化対策の財源論で野党の土俵に乗らず、選挙への影響を最小限にとどめようとしている。統一地方選を無難に乗り切れば、岸田にとって衆院解散の選択肢は広がる。
台風の目はやはり日本維新の会だろう。統一地方選第1ラウンド(4月9日投開票)で注目される大阪府知事選と大阪市長選の準備で維新は他党に大きく先行。第2ラウンド(同23日投開票)を含め、地方議員を今の400人から600人規模に増やす目標の達成も視野に入ってきた。立憲民主党幹部は「維新が伸びれば割を食うのはうちか自民党。守りの選挙になる」と警戒感を隠さない。
4月23日には衆院補選も行われる。補選になるのは千葉5区、和歌山1区、山口2区と4区の計4選挙区の見通し。「政治とカネ」の問題が争点になる千葉5区を除けば自民党が安泰との見方が大勢だが、和歌山と山口では次期衆院選から小選挙区が1減するため補選の候補者調整が難しく、党内に火種を生みかねない。
岸田は施政方針演説で「検討も決断も議論もすべて重要であり、必要だ。それらに等しく全力で取り組むことで、信頼と共感の政治を本年も進めていく」と訴えた。やるべきことをやる、というのが岸田の今の心境であろう。(敬称略)
【政界】岸田政権の正念場 経済再生、安全保障、そして財政難をどう解決するか?
発案者は誰だ?
「急速に進展する少子化により昨年の出生数は80万人を割り込むと見込まれ、わが国は社会機能を維持できるかどうかの瀬戸際と呼ぶべき状況に置かれている。子ども・子育て政策への対応は待ったなしの先送りの許されない課題だ」
岸田は1月23日、衆参両院本会議での施政方針演説で、子ども・子育て政策への意気込みを語った。ただ、同月4日の年頭記者会見で宣言した「異次元の少子化対策に挑戦」というフレーズは演説にはなかった。
首相に近い自民党幹部がその意図を解説する。「『異次元』にはどうしても増税のイメージがつきまとうからね」
異次元と聞いてすぐ思い浮かぶのは日銀の「異次元の金融緩和」。安倍政権の経済政策「アベノミクス」の柱だ。永田町では「安倍晋三元首相への現政権のリスペクトの表れでは」などと話題になったが、首相官邸の官僚は一様に「私が提案したのではない」と口をつぐんだ。どうやら発案は官房副長官の木原誠二だったらしい。
年頭会見では、岸田は「6月の骨太の方針(の策定)までに、将来的な子ども予算倍増に向けた大枠を提示する」とも表明した。しかし、その翌日、前幹事長の甘利明がBSテレ東の番組で「子育ては全国民が関わることだ。将来の消費税(増税)も含めて、地に足をつけた議論をしていかなければならない」と述べたことから、にわかに雲行きが怪しくなった。
岸田が政権発足時に幹事長に起用したのが甘利だ。消費税率引き上げに言及したら臆測を呼ぶのは当然だろう。甘利は自身のツイッターで「報道はミスリード」と火消しに回ったが、後の祭り。岸田と距離を置く前首相の菅義偉は1月18日、ラジオ日本の番組で「(国民に)理解されない。これだけの物価高の中で消費税の議論はあり得ない」と批判した。
バラ色の政策競い
とはいえ「異次元の少子化対策」を早々に棚上げしたと突っ込まれてはまずいと思ったのか、岸田は施政方針演説で言い回しを変えた。「年齢・性別を問わずみんなが参加する従来とは次元の異なる少子化対策を実現したい」。ややマイルドになった印象だ。
防衛費増額の財源に関しても「歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入の確保などの行財政改革の努力を最大限行った上で、それでも足りない約4分の1については、将来世代に先送りすることなく、今を生きるわれわれが将来世代への責任として対応していく」と述べ、「1兆円の増税」を明言しなかった。岸田が増税批判に神経をとがらせていることがうかがえる。
少子化対策は、昨年末の防衛費増額を巡る議論のあおりでおろそかになっていた分野だ。岸田にしてみれば、せっかくそこに注力する考えを示したのに、消費増税と絡めて批判されたら統一地方選で与党に逆風が吹きかねない。
岸田がこども政策担当相の小倉将信に指示した基本的方向性は①児童手当を中心とした経済的支援の強化②すべての子育て家庭を対象としたサービスの拡充③働き方改革の推進とそれを支える制度の充実─の三本柱だ。これを受けて政府は1月19日、こども予算の強化に関する関係府省会議の初会合を開いた。
東京都知事の小池百合子は岸田の年頭会見と同じ1月4日、東京都内の0~18歳に1人当たり月5000円を給付すると表明し、2023年度当初予算案に必要額を計上した。
24年夏の都知事選対策という指摘はあるが、政府に先んじたのは間違いない。小池は同13日の記者会見で「国が遅いだけの話。ずっと議論ばっかりしていると間に合わない」と余裕たっぷりに語った。
小池の挑発を意識したわけではないだろうが、岸田も児童手当を小倉への指示の一番目に持ってきた。
児童手当の月額は、0~2歳が一律1万5000円、3歳~小学生が1万円(第3子以降は1万5000円に増額)、中学生が一律1万円だ。政府関係者は「金額を大幅に増やせばすぐに異次元に達するが、財源論が難しい」と冗談交じりに語る。
例えば夫婦と子ども2人の世帯では、主たる生計者の年収が960万円以上の場合、児童手当は1人当たり月額5000円の特例給付に変わる。年収1200万円以上の世帯には給付はない。自民党幹事長の茂木敏充は1月25日、衆院本会議での代表質問で「すべての子どもの育ちを支えるという観点から、所得制限を撤廃するべきだ」と提起し、野党を驚かせた。
小倉は答弁をはぐらかしたが、旧民主党政権時代、自民党は子ども手当を「バラマキ」と批判した経緯があるだけに、政策を転換するなら国民への十分な説明が必要だ。
公明党は昨年11月に発表した「子育て応援トータルプラン」で、児童手当の対象年齢を18歳まで拡大するよう提案した。これを含めてプランに盛り込んだ施策をすべて実現するには、国と地方を合わせて少なくとも約6兆円を超える追加の財源がいると試算している。
子育ては統一地方選を国政選挙並みに重視する公明党の看板政策だが、同党も増税批判には敏感だ。代表の山口那津男は「何をやるかを国民にしっかり提示し、コンセンサスを作ることが一番重要だ。いきなり財源や費用(の議論)に行くことはかえって国民の誤解や混乱を招きかねない」と党幹部にクギを刺した。与党は統一地方選が終わるまで財源論を棚上げする方針だ。
「派閥抜けないのか」
自民党は政調会長の萩生田光一のもとに特命委員会を設置し、防衛費増額の財源の議論を開始した。そこでは、増税に頼らず国債の「60年償還ルール」を見直す案が浮上している。
萩生田は昨年12月、訪問先の台湾で「例えば(償還を)80年に延ばすことによって生み出されるお金を防衛費に回すことも一つの選択肢として検討に値する」と同行記者団に語った。80年に延長すれば年間4兆円を確保できると見込んでおり、党内でこの案を支持する議員は少なくない。萩生田と同じ安倍派で参院幹事長の世耕弘成も後押しする。
しかし、政府は否定的だ。官房長官の松野博一は1月12日の記者会見で「仮に償還年数を延ばした場合、毎年度の債務償還費が減少する分、一般会計の赤字公債は減るが、特別会計で発行している借換債が増えることから、全体として国債発行額は変わらない。財政に対する市場の信認を損ないかねないなどの論点もある」と述べ、党側の議論と一線を引いた。
満期を迎えた国債を現金で一括償還するのは難しい。そこで発行残高の約60分の1(1.6%)に当たる償還費を毎年、一般会計から特別会計に繰り入れることが法律で決まっており、残りは借換債を発行して返済している。23年度当初予算案には約16兆円の償還費を計上した。この償還費を減らしたり廃止したりして防衛費を捻出しても、その分、借換債の発行が増えるというのが松野の主張だ。
では、首相官邸と自民党は今後、全面対決するのか。同党の中堅議員は「萩生田さんは、償還ルールの見直しは党内若手の提案だと言っている。つまり、実現しなくても自身の政治的敗北にはならない。議論するだけだろう」と冷静な見方を示す。
ただ、党内には不穏な動きも出始めた。前首相の菅は月刊誌『文藝春秋』2月号で、首相就任後も派閥を離脱しない岸田を「派閥政治を引きずっているというメッセージになって、国民の見る目は厳しくなる」と批判した。
野党時代に宏池会(現岸田派)を飛び出した後、無派閥で活動してきた菅としては持論を述べただけかもしれないが、非主流派に甘んじている元幹事長の二階俊博との関係は今も良好で、周囲は「いよいよエンジンがかかってきた」と期待する。
官房副長官の木原は1月22日、フジテレビの番組で「政策集団の声を聞くというのも国民の声を聞く一環だ」と岸田を弁護した。党内基盤が強くない岸田が岸田派をよりどころにするのはやむを得ない面もある。
台風の目は維新
国会では立憲民主党や日本維新の会などが防衛増税反対で結束し、統一地方選をにらんで与野党対決が激しくなりそうだ。とはいえ、与党は衆参両院で多数を占めており、一般会計の歳出総額が約114兆円と過去最大の23年度当初予算案は、年度内成立が危ぶまれる状況ではない。
自民党は防衛費増額や少子化対策の財源論で野党の土俵に乗らず、選挙への影響を最小限にとどめようとしている。統一地方選を無難に乗り切れば、岸田にとって衆院解散の選択肢は広がる。
台風の目はやはり日本維新の会だろう。統一地方選第1ラウンド(4月9日投開票)で注目される大阪府知事選と大阪市長選の準備で維新は他党に大きく先行。第2ラウンド(同23日投開票)を含め、地方議員を今の400人から600人規模に増やす目標の達成も視野に入ってきた。立憲民主党幹部は「維新が伸びれば割を食うのはうちか自民党。守りの選挙になる」と警戒感を隠さない。
4月23日には衆院補選も行われる。補選になるのは千葉5区、和歌山1区、山口2区と4区の計4選挙区の見通し。「政治とカネ」の問題が争点になる千葉5区を除けば自民党が安泰との見方が大勢だが、和歌山と山口では次期衆院選から小選挙区が1減するため補選の候補者調整が難しく、党内に火種を生みかねない。
岸田は施政方針演説で「検討も決断も議論もすべて重要であり、必要だ。それらに等しく全力で取り組むことで、信頼と共感の政治を本年も進めていく」と訴えた。やるべきことをやる、というのが岸田の今の心境であろう。(敬称略)