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【国土交通省】初のリニア需要動向調査へ 停車頻度などを試算

財界オンライン 2023年2月20日 11時30分

JR東海が建設するリニア中央新幹線の開業後に、東海道新幹線が静岡県内駅でどのくらい停車回数が増えるかなどを分析する、初めての需要動向調査が始まった。外部に委託しており、第三者の手で報告書がまとめられる形となる。

 将来的に東京―大阪間の輸送需要はリニアに移り、その分、県内を通過する速達の「のぞみ」の役割が薄れることが想定される。調査では、のぞみの運行本数減と、県内駅に停車する「ひかり」や「こだま」の増加をシミュレーションした上で、停車頻度や利用者の時間短縮効果などを試算する方向だ。

 この件に関し、岸田文雄首相は1月4日の年頭記者会見で、「大きな一歩を踏み出す年にしたい」とした上で、「夏をめどに一定の取りまとめを行う」と表明。

 リニアの工事を巡り、大井川の水資源などへの影響を懸念する静岡県が県内工区の着工を認めない状況が続き、官房幹部は「首相官邸も気にしているようだ」と説明する。

 国土交通相の斉藤鉄夫氏は13日の記者会見で「静岡県、東海地方の発展に資する交通利便性の向上や地域の活性化について、関係自治体やJR東海と連携して対応したい」と語る。

 鉄道局幹部も「リニアが停車しない静岡県に、開業によってどんなメリットがあるかを示す。地元からも調査を要望する声が上がっていた」と、意義を強調した。

 ただ、静岡県の川勝平太知事は1月の記者会見で「(開業後は)社会情勢も変わってきているだろう。(調査は)決して容易でない」と指摘。

 県の意見を踏まえて調査するよう求める文書を岸田首相宛に提出したと明らかにしており、地元である静岡県の理解が得られるかなど、先行きは不透明な状況だ。

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