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【著者に聞く】『部下がイキイキと働く組織の作り方』メンタルヘルステクノロジーズ 社長 ・刀禰 真之介

財界オンライン 2023年2月18日 11時30分

人的資本経営、健康経営、ウェルビーングを掲げている大企業から、若手はドンドン退職している。その理由はシンプルで、所属する理由がない、見限っているのだ。要因を細分化するといくつかあるが、給与の納得性、疲弊する職場環境(人間関係や仕事量)、そしてワクワク感にある。

 また、新型コロナウイルスによる環境変化の対応も重大だ。働き方にリモートワークが組み込まれた。リモートワークは、生産性の高い環境を創れることがポイントなのだが、実は、その裏側に落とし穴がある。人の健康問題、メンタルヘルス問題と表裏一体なのだ。

 リモートワークは、中長期的に人の健康やメンタルヘルスに重大な問題を引き起こす。運動不足はもちろん、仕事の質の変化、量の変化、コミュニケーションエラーを引き起こすためである。

 このような環境で、経営者はステークホルダーの調整役として、顧客、従業員、株主、外部協力者、業界団体、地域社会等、所謂、企業成長とESGの両立が同時に求められている。

 それでも経営者が最初に気を遣うステークホルダーは従業員である。現場の従業員がイキイキと前向きに仕事に取り組む環境作りこそが経営者の仕事である。従業員が納得する給与や評価設計、利益率の高い商材、外部ステークホルダーとの対話等、多岐に渡る。

 本書は、2022年に東証マザーズ(現在、東証グロース)に上場したメンタルヘルステクノロジーズ代表の刀禰が執筆している。「組織の安定のためのメンタルヘルス対策」というサービスビジョンのもと、1400社以上(22年12月末現在)にメンタルヘルスサービスを展開している。

 事例として、ヤフーの市川氏(グッドコンディション推進室長)、H.U.ホールディングスの竹内氏(代表取締役)、シフトの丹下氏(代表取締役)、メルカリの小泉氏(取締役会長)のほか、機関投資家のインタビューが掲載されている。人的資本経営の本質を理解する手立てになれば幸いだ。


『部下がイキイキと働く組織の作り方』 刀禰真之介著 日本経済新聞出版 定価1760円(税込)

【わたしの一冊】 『考えよ、問いかけよ「出る杭人材」が日本を変える』

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