今度こそZHDとLINEのシナジーを発揮できるか
「けじめをつける」─。
Zホールディングス(HD)社長兼共同最高経営責任者(Cо―CEO)の川邊健太郎氏は、4月1日付で自らが会長に退き、Cо―CEOの出澤剛氏が社長兼CEOに昇格する人事について、こう語った。
同社は2023年度中を目途に、自社と、中核事業会社で対話アプリケーションを展開するLINE、ポータルサイトや電子商取引(EC)などを手がけるヤフーの3社が合併する計画も発表。組織の刷新で意思決定の迅速化を図るとした。
川邊氏が〝けじめ〟に言及した背景には、ZHDとLINEのシナジーが十分に発揮できていないことがある。ZHDは21年3月にLINEと経営統合して同社を子会社化。LINEとヤフーの利用者IDを連携させ、両社間の相互送客を強化する狙いなどがあった。
だが程なくして、アプリ「LINE」利用者の個人情報が中国から閲覧可能になっていたなどの個人情報保護の不備が発覚。4月には政府の個人情報保護委員会から行政指導を受けた。
ZHDは企業統治の強化に追われ、ID連携は23年以降にずれ込んだ。足元ではインターネット広告やECの成長も鈍化しており、今回、社長交代や3社合併を打ち出したものの、実効性は不透明。Cо―CEO体制を廃止して出澤氏に権限を集中する格好だが、経営陣の顔ぶれそのものが変わるわけではないからだ。
会見で出澤氏は「圧倒的なスピード感」で新製品開発や収益向上を目指すと意気込んだが、ネット広告では、中国系の動画投稿アプリ「TikTоk(ティックトック)」などが台頭。今回の3社合併で競争力を高め、世界と伍していけるか。
「スモールビジネスをテクノロジーで支える」 freee・佐々木大輔の中小企業活性化策
「けじめをつける」─。
Zホールディングス(HD)社長兼共同最高経営責任者(Cо―CEO)の川邊健太郎氏は、4月1日付で自らが会長に退き、Cо―CEOの出澤剛氏が社長兼CEOに昇格する人事について、こう語った。
同社は2023年度中を目途に、自社と、中核事業会社で対話アプリケーションを展開するLINE、ポータルサイトや電子商取引(EC)などを手がけるヤフーの3社が合併する計画も発表。組織の刷新で意思決定の迅速化を図るとした。
川邊氏が〝けじめ〟に言及した背景には、ZHDとLINEのシナジーが十分に発揮できていないことがある。ZHDは21年3月にLINEと経営統合して同社を子会社化。LINEとヤフーの利用者IDを連携させ、両社間の相互送客を強化する狙いなどがあった。
だが程なくして、アプリ「LINE」利用者の個人情報が中国から閲覧可能になっていたなどの個人情報保護の不備が発覚。4月には政府の個人情報保護委員会から行政指導を受けた。
ZHDは企業統治の強化に追われ、ID連携は23年以降にずれ込んだ。足元ではインターネット広告やECの成長も鈍化しており、今回、社長交代や3社合併を打ち出したものの、実効性は不透明。Cо―CEO体制を廃止して出澤氏に権限を集中する格好だが、経営陣の顔ぶれそのものが変わるわけではないからだ。
会見で出澤氏は「圧倒的なスピード感」で新製品開発や収益向上を目指すと意気込んだが、ネット広告では、中国系の動画投稿アプリ「TikTоk(ティックトック)」などが台頭。今回の3社合併で競争力を高め、世界と伍していけるか。
「スモールビジネスをテクノロジーで支える」 freee・佐々木大輔の中小企業活性化策