「今は守りを固めるタイミング。あらゆるシナリオを想定した安全な財務運営をしながら、投資先の価値向上に引き続き注力していく」
こう語るのは、ソフトバンクグループ(SBG)専務CFO(最高財務責任者)の後藤芳光氏。
SBGの2022年4―12月期の連結業績は、9125億円の最終赤字(前年同期は3926億円の黒字)だった。世界的な株価下落を受け、新興企業に投資する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」をはじめとする投資事業で多大な損失を出したためだ。
SVF事業の投資損失は5兆68億円。為替の影響でも7280億円の為替差損が発生している。それでも、同社は中国アリババグループの保有株式の一部を売却するなど、合計5兆3716億円の利益を計上した。
あるアナリストは「資金化可能な残りの保有株式数は1.74億株(時価ベースで180億㌦程度、アリババの発行済み株式数の6~7%程度)と推計され、追加の資金化余地はまだ残されている」と見ているようだ。
19年度は9615億円の最終赤字、20年度が4兆9879億円の黒字、そして、21年度は1兆7080億円の最終赤字となるなど、ジェットコースターのように乱高下を繰り返すSBG。
この1年は昨年に比べて、新規や追加を含めた投資を1割以下に縮小しており、当面、同社はSVFの運営コストを削減するなど、守りの采配に徹する考えだ。
昨夏には副社長のラジーブ・ミスラ氏が辞任し、2年前まで3人いた副社長全てが会社を去った。いずれも孫正義会長兼社長の後継候補と目されていただけに、「孫氏の後継者問題はこれまで以上に難しくなった」(同)。
2月には、再生可能エネルギー子会社・SBエナジーの株式の85%を豊田通商へ売却することで合意。東日本大震災後から始めた再エネ事業を縮小し、主力の投資事業に注力する。
そうした状況下、「守りは盤石。いつ積極的な攻めの投資ステージに入ってもいいよう、しっかりと軍資金を確保しておく」と語る後藤氏。守りを固め、反転攻勢のタイミングを見計らう中、孫氏の次の一手が注目される。
「スモールビジネスをテクノロジーで支える」 freee・佐々木大輔の中小企業活性化策
こう語るのは、ソフトバンクグループ(SBG)専務CFO(最高財務責任者)の後藤芳光氏。
SBGの2022年4―12月期の連結業績は、9125億円の最終赤字(前年同期は3926億円の黒字)だった。世界的な株価下落を受け、新興企業に投資する「ソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)」をはじめとする投資事業で多大な損失を出したためだ。
SVF事業の投資損失は5兆68億円。為替の影響でも7280億円の為替差損が発生している。それでも、同社は中国アリババグループの保有株式の一部を売却するなど、合計5兆3716億円の利益を計上した。
あるアナリストは「資金化可能な残りの保有株式数は1.74億株(時価ベースで180億㌦程度、アリババの発行済み株式数の6~7%程度)と推計され、追加の資金化余地はまだ残されている」と見ているようだ。
19年度は9615億円の最終赤字、20年度が4兆9879億円の黒字、そして、21年度は1兆7080億円の最終赤字となるなど、ジェットコースターのように乱高下を繰り返すSBG。
この1年は昨年に比べて、新規や追加を含めた投資を1割以下に縮小しており、当面、同社はSVFの運営コストを削減するなど、守りの采配に徹する考えだ。
昨夏には副社長のラジーブ・ミスラ氏が辞任し、2年前まで3人いた副社長全てが会社を去った。いずれも孫正義会長兼社長の後継候補と目されていただけに、「孫氏の後継者問題はこれまで以上に難しくなった」(同)。
2月には、再生可能エネルギー子会社・SBエナジーの株式の85%を豊田通商へ売却することで合意。東日本大震災後から始めた再エネ事業を縮小し、主力の投資事業に注力する。
そうした状況下、「守りは盤石。いつ積極的な攻めの投資ステージに入ってもいいよう、しっかりと軍資金を確保しておく」と語る後藤氏。守りを固め、反転攻勢のタイミングを見計らう中、孫氏の次の一手が注目される。
「スモールビジネスをテクノロジーで支える」 freee・佐々木大輔の中小企業活性化策