「イノベーションを生み出せる会社にしたい」─。4月1日付でアステラス製薬社長CEOに昇格する副社長の岡村直樹氏は、このように強調する。
【大正製薬ホールディングス・上原明社長に直撃!】「日本人には改めて『健康教育』が必要」
18年に社長に就任した安川健司氏が代表取締役会長に就き、岡村氏が舵取りを担う。岡村氏は東京大学薬学部卒業後、山之内製薬(当時、現アステラス製薬)に入社。10年に買収した米OSIファーマシューティカルズのCEOとして統合作業にも携わり、19年からは副社長として経営計画の策定に携わった。
同社にとって23年度は「成長を一段と加速させる〝攻め〟のタイミング」(安川氏)となる。同氏はそれまで成長を牽引してきた生活習慣病薬などの主力品の特許満了や提携先とのビジネス契約終了に伴って売上高の減少が相次ぐ時期を乗り越えた。
「最大のミッションはもう一度、成長戦略の曲線に乗せること」。その間、抗悪性腫瘍剤「ゾスパタ」や「パドセブ」などの新薬を複数の国で上市させることに成功。20年度を底に業績は上向いたことで「一番負っていたミッションには目途がついた」。
そして27年以降に売上高の約4割を占める前立腺がん剤「イクスタンジ」の本格的な特許満了を迎える。その点、22年、閉経に伴う血管運動神経症状治療薬候補を欧米で申請済みで、胃がん治療薬候補も申請に向けて準備を進めている段階にある。
岡村氏は研究開発において新たなモデルとして「フォーカスエリア」を提唱。特定の病気を目的に新薬候補を開発するのではなく、技術やバイオ分野の知見などを組み合わせて一定範囲の疾病群を対象に「芋づる式」に創薬するという考え方だ。
十数年ごとに製薬会社が迎える特許切れ(パテントクリフ)を乗り越え、成長の持続につなげようとしている。そんな岡村氏を安川氏は「論理的かつ情熱的で、厳しくも温かく、真面目であり、ユーモアに溢れた人柄」と評する。社内でも「国内外の社員と準備なしで何でも語り合うクレバーな人」で知られる。
製薬業界で売上高トップ3の同社だが、時価総額では4位が定位置。強みのがん領域でイノベーションを起こし続けなければ、時価総額7兆円以上という目標も覚束なくなるだけに岡村氏のリーダーシップが問われる。
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18年に社長に就任した安川健司氏が代表取締役会長に就き、岡村氏が舵取りを担う。岡村氏は東京大学薬学部卒業後、山之内製薬(当時、現アステラス製薬)に入社。10年に買収した米OSIファーマシューティカルズのCEOとして統合作業にも携わり、19年からは副社長として経営計画の策定に携わった。
同社にとって23年度は「成長を一段と加速させる〝攻め〟のタイミング」(安川氏)となる。同氏はそれまで成長を牽引してきた生活習慣病薬などの主力品の特許満了や提携先とのビジネス契約終了に伴って売上高の減少が相次ぐ時期を乗り越えた。
「最大のミッションはもう一度、成長戦略の曲線に乗せること」。その間、抗悪性腫瘍剤「ゾスパタ」や「パドセブ」などの新薬を複数の国で上市させることに成功。20年度を底に業績は上向いたことで「一番負っていたミッションには目途がついた」。
そして27年以降に売上高の約4割を占める前立腺がん剤「イクスタンジ」の本格的な特許満了を迎える。その点、22年、閉経に伴う血管運動神経症状治療薬候補を欧米で申請済みで、胃がん治療薬候補も申請に向けて準備を進めている段階にある。
岡村氏は研究開発において新たなモデルとして「フォーカスエリア」を提唱。特定の病気を目的に新薬候補を開発するのではなく、技術やバイオ分野の知見などを組み合わせて一定範囲の疾病群を対象に「芋づる式」に創薬するという考え方だ。
十数年ごとに製薬会社が迎える特許切れ(パテントクリフ)を乗り越え、成長の持続につなげようとしている。そんな岡村氏を安川氏は「論理的かつ情熱的で、厳しくも温かく、真面目であり、ユーモアに溢れた人柄」と評する。社内でも「国内外の社員と準備なしで何でも語り合うクレバーな人」で知られる。
製薬業界で売上高トップ3の同社だが、時価総額では4位が定位置。強みのがん領域でイノベーションを起こし続けなければ、時価総額7兆円以上という目標も覚束なくなるだけに岡村氏のリーダーシップが問われる。