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【総務省】東京一極集中が再加速 23区は転入超過に逆戻り

財界オンライン 2023年3月1日 11時30分

総務省が1月30日に公表した2022年の住民基本台帳に基づく人口移動報告によると、東京都は転入が転出を3万8023人上回る「転入超過」となった。転入超過数は前年より3万2590人増えた。

 増加は3年ぶり。東京23区だけで見ると、2万1420人の転入超過で、前年は初めて転出超過となったが、1年で転入超過に逆戻りした。新型コロナウイルス感染拡大に伴う行動制限が緩和され、転勤や進学などによる人の移動が活発化したためとみられ、東京一極集中が再加速する可能性もありそうだ。

 22年の東京都の転入者数は前年比4・7%増の43万9787人、転出者数は同3・1%減の40万1764人だった。転入超過数はコロナ前の19年は8万2982人だったが、20年は3万1125人、21年は過去最少の5433人まで縮小していた。

 コロナ禍でテレワークなど、新たな働き方が普及したことが影響したとみられていたが、社会経済活動の正常化が進むとともに東京への人の流れが再び強まっていることがうかがえる。東京からの転出先も近隣の神奈川県や埼玉県、千葉県が上位を占めており、東京から地方への人の流れが生まれているとは言い難い。

 転入超過だったのは東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪など、11都府県。東京の転入超過数が増加に転じたことを受け、松本剛明総務相は「東京一極集中の進展は、少子高齢化、過疎が進む地方における地域社会の担い手不足や災害リスクなどの点から問題で、わが国全体にとって喫緊の課題だ」と述べ、地方への人の流れを増やす取り組みを強化する考えを示した。

 政府は昨年末に閣議決定したデジタル田園都市国家構想総合戦略に、27年度に地方と東京圏との転出・転入者数を均衡させる目標を明記。地方に人を呼び込むため、移住の促進やテレワークのさらなる普及などを重点的に進める方針だが、目標の実現は容易ではなさそうだ。

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