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《日の丸半導体復活となるか?》『ラピダス』が北海道に次世代半導体の新工場建設へ

財界オンライン 2023年3月10日 7時0分

総額5兆円規模の巨額投資

 

「北海道千歳市は、水、電力等のインフラに加えて、自然環境との調和においても、半導体の生産に最適。今後、政府による計画や予算の承認を経て、具体的に千歳市とも話し合いを始めていきたい」

 次世代半導体の国産化を目指す新会社Rapidus(ラピダス)社長の小池淳義氏はこう語る。

 昨年8月、トヨタ自動車やNTTなど、国内の大手企業8社が出資して誕生したラピダス。この度、同社が北海道千歳市に最先端の半導体工場を建設することを決めた。

 次世代半導体は、自動運転や人工知能(AI)などの分野で必要不可欠とされ、回路線幅が細いほど性能が高い。現在の先端品は、3㌨(㌨は10億分の1)㍍。日本は1980年代に半導体で世界を席巻したものの、技術開発競争に敗れ、製造できるのは40㌨品にとどまる。

 挽回に向け、同社が目指すのが、現時点で実用化されていない2㌨品の次世代半導体。同社は昨年12月に米IBMとの共同開発パートナーシップを締結。先端微細化回路の基礎研究で成果を上げるIBMなどと連携し、2025年に試作ライン、20年代後半に量産ラインを立ち上げることを目標としている。

「世界で最先端の技術を、あらゆる分野から駆使して、ここに世界一、世界最高水準の工場を建設する」と意気込む小池氏。

 今回のプロジェクトは、政府の補助金支援なども含めて、5兆円規模の巨額な投資が見込まれているという。”失われた30年”と言われて久しい日本だが、かつて隆盛を誇った日本の半導体の衰退は、この30年とも重なる。ラピダスは今回の投資を”日の丸半導体”復活の最後のチャンスとすることはできるか。

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