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【国土交通省】人口減で赤字が続くローカル鉄道の再編へ

財界オンライン 2023年3月23日 18時0分

政府は、赤字が続くローカル鉄道の再編を話し合う「再構築協議会」の創設を盛り込んだ地域公共交通活性化再生法などの改正案を閣議決定した。国の関与を強め、沿線自治体と鉄道事業者の再編協議を円滑に進める狙いがある。

 協議会は自治体や事業者の要請を受け、国が意見聴取した上で設ける。ローカル線に沿ってバスを走らせる実証事業などを行い、国が費用を補助。関係者間で「鉄道の維持」か「バスなどへの転換」を決める。いずれかで合意できれば、協議会は再構築方針をまとめる。

 国は、同方針に基づいて必要なインフラ整備に取り組む自治体を財政支援。駅・線路といった鉄道施設、停留所などバス施設を整備する場合や、自治体が線路などの施設を保有して事業者が運行する「上下分離方式」を導入する場合を想定している。

 人口減少で利用者減が著しいことを背景に、昨年2月に国交省の有識者検討会が立ち上がり、1年で制度化にめどを付けることができた。

 今後、改正法が成立すれば、公布から6カ月以内に施行される。遅くとも秋頃までには新たな協議会の仕組みを活用できるようになる見通し。

 ただ、関係者の要請を受けて、国が意見聴取を行う手順を踏むため、官房幹部は「協議会が設置される具体的な時期などは不透明」と強調する。

 改正法の成立に先立ち、既に関係者の関心は、協議会で再編を話し合う第1号案件に移りつつある。あるJR関係者は「(岡山・広島両県間を走る)JR芸備線になるかもしれない」と予想。「存続を望む自治体と廃止を求める事業者の間で関係がこじれてしまっているのも大きい」と語り、「他の地域と比べても議論が前に進まない状況が続いている」と指摘した。

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