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組合専従も経験した現場主義者 【SUBARU】の新社長に大崎氏

財界オンライン 2023年4月6日 7時0分

世界販売台数の約7割を北米市場が占めており、世界シェア約1%でありながら高い利益率を誇っていたSUBARUの次期社長に取締役専務執行役員の大崎篤氏(60)が昇格する。現社長の中村知美氏(63)は代表権のない会長に就く。社長交代は5年ぶりだ。

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 中村氏は17年に発覚した無資格者による完成車検査問題を受けて社長に就任し、社内の組織風土改革や品質改革に注力した。そのときに品質保証本部長を務めていたのが大崎氏だ。大崎氏は週2回、2時間かけて検査の現場を歩き、社員との会話や悩み事を聞いたりして回った。

「とにかく現場に足を運び、自分の目で判断したい。部下からすると面倒くさいやつと思われているだろう」と苦笑いする大崎氏は「ユニークな経歴」(中村氏)の持ち主だ。

 幼い頃からクルマが好きで、東京農工大学の学生時代はエンジン研究に没頭。キャンパスの近くには同社の開発拠点があり、スバルから委託されたエンジンの研究にも携わった。

 スバルに入社後はエンジン設計からスタートし、軽自動車「サンバー」の商品企画を担当。さらには会社を休職し、労働組合の専従役員を8年間務めた。「経営陣と経営課題について激論を交わしたことは貴重な経験だった」と振り返る。

 直近では製造本部長として電動化を踏まえた国内工場の生産体制の再編計画を主導。日系自動車メーカーでいち早く国内で電気自動車(EV)の専用工場の建設を表明した。主戦場である北米市場でのEV戦略を加速させる。

「EVでもスバルらしさを示現できる」と強調する大崎氏。トヨタ自動車との連携を図りながら電動化に対応していくと共に、22年の国内販売台数は10万台とシェア2%ほどとなった同社が安全や全輪駆動などの〝らしさ〟を発揮できるか。大崎氏の手腕が試される。

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