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【経済産業省】脱炭素化で協力推進 日豪、東南アジアが共同体構想

財界オンライン 2023年3月31日 15時0分

日本政府が提唱する「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」構想が動き出した。日本を含むオーストラリア、インドネシアなど11カ国のエネルギー担当閣僚らが構想に基づく初の会合を東京都内で開き、「アジア地域の脱炭素化に向けた協力を推進する」との共同声明を採択した。燃焼時に二酸化炭素(CO2)を出さない水素・アンモニアの利活用をはじめ脱炭素技術の開発と普及で連携していく。

 AZEC構想は、岸田文雄首相が2022年1月の施政方針演説で発表した枠組みで、日本の技術でアジアの脱炭素化に貢献するとしている。会合には日豪に加え、東南アジア諸国連合(ASEAN)のミャンマーを除く9カ国が出席。岸田首相はビデオメッセージを寄せ、「アジアの実情に応じた現実的なエネルギー移行を実現する」と呼び掛けた。

 経済産業省によると、アジアは世界のCO2排出量のうち5割以上を占め、経済成長に伴い今後も排出増が見込まれる。現状は石炭火力発電に依存する国が多く、太陽光や風力に由来する再生可能エネルギーを短期間で普及させることは困難。このため石炭に水素やアンモニアを混ぜてCO2排出を抑制するといった手段も求められている。

 共同声明には協力分野として、インフラ投資と資金支援、脱炭素技術の標準化に向けた取り組みなども盛り込まれた。議長を務めた西村康稔経産相は、閉幕後の記者会見で「日本が主導的な役割を果たしていきたい」と強調。会合では、日豪の水素サプライチェーン(供給網)構築を進めると先駆けて発表した。水素供給網はアジアを基軸に、インド太平洋への展開も視野に入れている。

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