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〝虎の子〟楽天銀行の上場で財務の改善図る【楽天グループ】

財界オンライン 2023年4月10日 15時0分

楽天グループ(三木谷浩史会長兼社長)が、連結子会社の楽天銀行を東京証券取引所へ株式上場させる。

 楽天銀行は1300万口座を超える日本最大級のインターネット銀行。楽天カードや証券事業などと並ぶ金融事業の中核会社で、すでに東証は楽天銀行の新規上場を承認。4月21日にプライム市場へ上場する予定で、時価総額は3千億円規模になる見通し。今回の上場によって楽天グループの株式所有割合は63.33%まで減少する。

 問題はなぜ〝虎の子〟の楽天銀行を上場させる必要があるのかということ。市場では「携帯電話事業への投資はまだまだ必要で、虎の子の金融事業を切り売りせざるをえないのだろう」という見方が支配的だ。

 楽天グループは2022年12月期の連結決算で3728億円の最終赤字を計上。4期連続の赤字で過去最大の赤字となった。新規参入した携帯電話事業で基地局の整備投資がかさみ、大幅な赤字と財務状況の悪化に見舞われている。

 2月に行われた決算発表で、三木谷氏は「かなりの資金をモバイルビジネスに投入してきた。有利子負債が膨らんできたが、楽天銀行のIPO(新規株式公開)や戦略的業務提携・外部資本の活用も柔軟に検討することによって健全なバランスシートを保つ」と話していた。

 3月16日には格付投資情報センターが、楽天グループの発行体格付けを「A-(シングルAマイナス)」から「BBB+(トリプルBプラス)」に引き下げ。

 今回の楽天銀行の上場により、〝ネガティブ〟な市場評価を打破することはできるか。

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