佐藤慎次郎さんの人生観
医療機器大手、テルモ社長の佐藤慎次郎さん(1960=昭和35年7月生まれ)は東燃、アーサーアンダーセンでの仕事を経験した後、縁あって2004年にテルモに入社。2017年に社長に就任し、コロナ禍で、心臓血管や血液・細胞テクノロジーなどを使った事業に打ち込んできておられる。
東燃はその後、東燃ゼネラルとなり、最終的にJXグループ(日本石油)と経営統括し、現在のENEOSになっている。
佐藤さんは、コンサルティングのアーサーアンダーセンに移籍するが、ここは2002年、米本社がエンロンの不正会計問題に関わり、組織が消滅してしまった。
まさに有為天変だが、テルモに来て20年近くが経つ。
「世界経済とか日本経済の変化を図らずも体感しながら、自分のキャリアとシンクロしてきました」
佐藤さんはこう自らの履歴を語りながら、次のように続ける。
「バブル崩壊から、そういう石油産業のモデルチェンジを体験しました。その中で、自分の会社も余儀なくされる。それから競争の中でアンダーセンのああいう時代を迎えた。そういうことや世界の情勢が自分の人生を動かしたところがあります」
グロース・マインドセットで
「わたしはそんな大層な人間ではないので、変化の時はやはり打ちのめされたし、失敗もしたし、落ち込んだ時期もありました」と佐藤さん。要は、変化の中をいかに生き抜くかということである。
コロナ禍4年目、ウクライナ危機2年目で世界は大きく変わってきた。どう対応していくのか?
「人事改革と併せて意識改革もやっていますが、世界的に『グロース・マインドセット(Growth Mindset)』という考え方を取り入れています。これはアメリカの方が考え出したコンセプトですが、『やればできる』ということ。要するに、人間は変わらないという見方を捨てて、どんな人も成長の余地があると」
やればできる─。要は、前向きに生き抜くかどうかが問われているということ。
いや、人間の能力は天与のもので、人はそう変わらない─という見方を『フィックスト・マインドセット(Fixed Mindset)』と言うそうだ。
この2つの考えを対比させて、『グロース』の方を取り入れていこうという意識改革。人の心、気持ちが社会の成長を支えていく。
「跳躍の年」に漂う緊張感、「VUCAの年」となるか【私の雑記帳】
医療機器大手、テルモ社長の佐藤慎次郎さん(1960=昭和35年7月生まれ)は東燃、アーサーアンダーセンでの仕事を経験した後、縁あって2004年にテルモに入社。2017年に社長に就任し、コロナ禍で、心臓血管や血液・細胞テクノロジーなどを使った事業に打ち込んできておられる。
東燃はその後、東燃ゼネラルとなり、最終的にJXグループ(日本石油)と経営統括し、現在のENEOSになっている。
佐藤さんは、コンサルティングのアーサーアンダーセンに移籍するが、ここは2002年、米本社がエンロンの不正会計問題に関わり、組織が消滅してしまった。
まさに有為天変だが、テルモに来て20年近くが経つ。
「世界経済とか日本経済の変化を図らずも体感しながら、自分のキャリアとシンクロしてきました」
佐藤さんはこう自らの履歴を語りながら、次のように続ける。
「バブル崩壊から、そういう石油産業のモデルチェンジを体験しました。その中で、自分の会社も余儀なくされる。それから競争の中でアンダーセンのああいう時代を迎えた。そういうことや世界の情勢が自分の人生を動かしたところがあります」
グロース・マインドセットで
「わたしはそんな大層な人間ではないので、変化の時はやはり打ちのめされたし、失敗もしたし、落ち込んだ時期もありました」と佐藤さん。要は、変化の中をいかに生き抜くかということである。
コロナ禍4年目、ウクライナ危機2年目で世界は大きく変わってきた。どう対応していくのか?
「人事改革と併せて意識改革もやっていますが、世界的に『グロース・マインドセット(Growth Mindset)』という考え方を取り入れています。これはアメリカの方が考え出したコンセプトですが、『やればできる』ということ。要するに、人間は変わらないという見方を捨てて、どんな人も成長の余地があると」
やればできる─。要は、前向きに生き抜くかどうかが問われているということ。
いや、人間の能力は天与のもので、人はそう変わらない─という見方を『フィックスト・マインドセット(Fixed Mindset)』と言うそうだ。
この2つの考えを対比させて、『グロース』の方を取り入れていこうという意識改革。人の心、気持ちが社会の成長を支えていく。
「跳躍の年」に漂う緊張感、「VUCAの年」となるか【私の雑記帳】