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【経済同友会】「アニマルスピリッツ」を標語に〝新浪同友会〟がスタート

財界オンライン 2023年5月12日 11時30分

〝現状維持病〟をいかに打破するか?

「真に必要なアニマルスピリッツ(挑戦心)を取り戻すべきではないだろうか。それはかつての勝者総取りの世界ではない。これからのアニマルスピリッツとは、双方がウィン・ウィンの関係となることだ」─。

日本経済団体連合会・十倉雅和会長「構造的な賃上げを含む、『分厚い中間層』の形成を!」

 経済同友会代表幹事に内定していたサントリーホールディングス(HD)社長の新浪剛史氏は、『財界』誌のインタビューでこう語っている。〝新浪同友会〟が4月27日にスタート。「失われた30年」の間に日本経済に蔓延していた〝現状維持病〟を打破し、失敗を許容する社会の実現を目指していく考えだ。

 新浪氏はキーワードとして「ウィン・ウィンのアニマルスピリッツ」を挙げる。経済の担い手の中心は民間であり、政府が規制を改革・緩和すれば民間の国内投資がもっと生まれる。そのためには企業を救うための補助金も見直し、その予算を人材育成に当てるべきと強調する。「今までの税金の枠組みだけではできない取り組みを変えていくことで、公助の費用は下がる可能性がある」と訴える。

「新しい資本主義」を打ち出す岸田文雄首相も「新しい資本主義では企業が主役。DXやGXといった社会課題を成長のエンジンとし、しっかり賃上げしていただくことが経済の好循環につながる」と語る。

 新浪氏は人材を活性化させる仕組みづくりに注力していく。その第1弾として官民のリスキリング・コンソーシアムを立ち上げ、副代表幹事の峰岸真澄氏(リクルートHD会長)を中心に個人の学び直しを後押しする。また、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DEI)の推進にも力を入れる。

 前代表理事の櫻田謙悟氏は消費者であり、働き手であり、家族の一員であり、コミュニティの担い手であるという多面的な役割を持ち、日本で暮らす全ての個人を包含する「生活者」という概念を打ち出し、新たな価値づくりに努めた。

「日本は危機的な状況にある」と言われる中、新浪氏は日本生産性本部が主導する「令和臨調(令和国民会議)」の理事も兼務。財界との協力体制を構築し、政策提言などの実現性を高められるかがポイントになる。

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