先進7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合が開催され、共同声明を採択して閉会した。脱炭素とロシアのウクライナ侵攻を背景に危機感の高まったエネルギー安全保障について議論。共同声明には、二酸化炭素(CO2)排出削減の対策を講じていない化石燃料を「段階的に廃止する」方針が初めて盛り込まれた。焦点となっていた石炭火力の廃止時期については日本が反対。昨年ドイツで開かれたG7閣僚会合の声明を踏襲し、廃止時期を明記しなかった。
また、車から排出されるCO2を「35年までに半減する」と合意し声明に盛り込んだが、米欧が求めていた電気自動車(EV)など走行中に温室効果ガスを排出しない「ゼロエミッション車(ZEV)」の導入目標は示さなかった。
日本は電源構成の3割を占める石炭火力や、内燃機関(エンジン)車で競争力の高い自動車といった主要産業を守りながら、段階的に脱炭素を進めていく考え。会合終了後、西村康稔経済産業相は「各国にはそれぞれのエネルギーと経済の事情があり、脱炭素化の道筋は多様であると認めながら、共通のゴールを目指すことを確認できた」と成果を強調した。
とはいえ、石炭火力の廃止については、産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑える国際枠組み「パリ協定」目標に「整合する」条件も加わった。日本は、燃焼時に二酸化炭素を出さないアンモニア混焼の商業化を目指しているが、海外は石炭火力の延命につながるとして厳しい視線を注ぐ。
脱炭素化を急速に進める欧米を前に防衛を強いられた日本の政府関係者は、「引き分けに持ち込めた」と評価した。
《再エネ拡大へ》JERAがベルギーの洋上風力発電会社を買収
また、車から排出されるCO2を「35年までに半減する」と合意し声明に盛り込んだが、米欧が求めていた電気自動車(EV)など走行中に温室効果ガスを排出しない「ゼロエミッション車(ZEV)」の導入目標は示さなかった。
日本は電源構成の3割を占める石炭火力や、内燃機関(エンジン)車で競争力の高い自動車といった主要産業を守りながら、段階的に脱炭素を進めていく考え。会合終了後、西村康稔経済産業相は「各国にはそれぞれのエネルギーと経済の事情があり、脱炭素化の道筋は多様であると認めながら、共通のゴールを目指すことを確認できた」と成果を強調した。
とはいえ、石炭火力の廃止については、産業革命前からの気温上昇を1.5度に抑える国際枠組み「パリ協定」目標に「整合する」条件も加わった。日本は、燃焼時に二酸化炭素を出さないアンモニア混焼の商業化を目指しているが、海外は石炭火力の延命につながるとして厳しい視線を注ぐ。
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