Infoseek 楽天

【経済産業省】政策も「デザイン」の時代 ユーチューブで研修動画公開

財界オンライン 2023年6月7日 18時0分

経済産業省は、官公庁や自治体などの行政機関が政策立案を行う過程に、「デザイン」の視点を取り入れ、政策をより効果的にするための研修動画をユーチューブに無料公開した。導入から実装まで6本あり、動画と連動したワークシートもホームページに掲載。自由に活用できる。今後は、地方などでのワークショップの実施も検討する。

 政策デザインは、課題の背景にある環境やシステムに着目して問題点などを整理し、政策をより多くの人に届きやすく設計するという考え方。先例の踏襲や、最初に設定した課題の解決のみに固執せず、市民らと協働し、多角的な視点で柔軟に施策を改善、発展させていくという特徴がある。

 欧米では、行政組織内に政策デザイン専門チームを置く国が増えており、高齢者の相互扶助や公務員の教育への支援、司法分野などで活用ケースがある。また、フィンランドで行われた、生活に必要な最低限の金額を一律支給する「ベーシックインカム」の社会実験も政策デザインに基づいた実践例だ。

 公開した動画では、海外の事例などを紹介しながら、「探索」「共創」「実装」など5段階に分け専門家が政策デザインの考え方を解説する。各回の受講後、ワークシートに沿って地域課題などを具体的に記入することで、実例に置き換えて考えられるよう工夫されている。

 動画製作は、省内の若手有志が中心となり2022年3月から活動するデザインプロジェクトチーム「JAPAN+D」が企画した。現在は内閣人事局や総務省、法務省などの職員らも交え、30人ほどが活動に参画している。

 これまで中央省庁内で政策立案の伴走支援などをしてきたが、23年度は教育コンテンツの普及にも注力するという。プロジェクト事務局の経産省中堅は「政策デザインは一見抽象的だが、今後の行政運営に必要な考え方。動画を広く活用してほしい」と話した。

バフェットの「日本買い」、次に注目される銘柄は何か?

この記事の関連ニュース