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NTTとJERAが国内最大級、約3千億円で再エネ企業を買収

財界オンライン 2023年6月12日 11時30分

脱炭素化の流れが加速 JERA経営陣に危機感も?

 東京電力ホールディングスと中部電力が折半出資するJERAが、NTTグループと共同で国内の再生可能エネルギー事業会社グリーンパワーインベストメント(以下、GPI)を買収する。年内に株式等の取得を完了する見込み。買収金額は非公表ながら約3千億円と見られ、国内の再エネ企業を巡っては最大規模の買収となる。

「2025年度に500万キロワットの再エネ開発という高い目標を掲げているが、この目標は完全に射程に入った。アジア屈指の再エネプレイヤーになる」

 5月31日の記者会見で、JERA会長の可児行夫氏はこう話した。

 NTTは今後5年間で約1兆円を再エネなどのグリーンエネルギーに投じる計画。今回のGPI買収はその一環だ。

 一方、JERAは国内発電量の3割を占める日本最大の火力発電会社。それが最大の特徴で、足元の電力供給において大きなポジションを占めるが、近年は世界的な脱炭素化の流れが加速し、経営はモロに逆風を受ける形になっている。

 このため、JERA経営陣の危機感は強く、今年3月にはベルギーの洋上風力発電事業会社パークウィンドを約15.5億ユーロ(約2200億円)で買収することを決めたばかり。今回は、それからわずか2カ月でGPIの買収を決めた形だ。

「再エネ事業だけではなく、LNG(液化天然ガス)、水素・アンモニアという二本柱を組み合わせて、複合的なオプションを提供することにより、地域や国の実情に適したソリューションを提供していく」と語る可児氏。

 足元のエネルギー安定供給と将来的な脱炭素の両立へ向け、事業ポートフォリオの転換を急ぐ同社である。

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