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【総務省】マイナンバーカード トラブル続出で揺らぐ信頼

財界オンライン 2023年6月28日 15時0分

マイナンバーカードを巡るトラブルが相次いでいる。カードを使ったコンビニ交付サービスで別人の住民票が誤って発行されたり、抹消したはずの印鑑登録証明書が誤って交付されたりする事案が複数の自治体で発生。さらには、マイナンバーと紐付けた「公金受取口座」に別人の口座が登録されたり、カード取得者に提供する「マイナポイント」が他人に付与されたりと、枚挙にいとまがない。

 マイナポイントの誤付与は、自治体支援窓口の端末の利用で、前の人がログインしたままの状態で、次の人が手続きを始めたことで生じたと考えられるという。国などからの給付金を受け取るための公金受取口座の誤登録も人為的ミスが原因。

 松本剛明総務相は「誤りが起きたのは残念。今後そういうことが起こらないようにしたい」と述べた。マイナンバー制度やマイナカードへの信頼が揺らぎかねない事態に、岸田文雄首相は関係閣僚にシステムの総点検などを指示した。

 公金受取口座を巡っては、本人ではなく家族名義の口座を登録しているケースが複数存在することも明らかになった。子どもの給付金の振り込み先として親が自分名義の口座を登録している事例などがあるとみられている。デジタル庁は、本人名義でない口座には給付金が支給されない可能性があるため、本人名義の口座への変更を呼び掛けている。

 健康保険証とマイナンバーカードを一体化した「マイナ保険証」に他人の情報が紐付けられるトラブルも起きている。健康保険組合が加入者本人とは異なるデータを入力したのが原因だという。トラブル続出の背景にあるのがカードの急速な普及だ。

 政府はマイナポイント事業の実施など、大々的なキャンペーンを展開。カードの申請件数は3月末の時点で約9614万件、人口に対する割合は76.3%となり、松本氏は「ほぼ全ての国民に行き渡らせる水準までは到達した」と胸を張っていた。

 普及は進んだものの、自治体の事務処理などで多くのミスを招き、信頼回復へ課題を抱えることになった。

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