日本人の平均寿命は2021年時点で男性81.47歳、女性が87.57歳ですが、介護を受けたり、寝たきりにならずに健康的で自立した生活が送れる期間である健康寿命は男性が約73歳、女性が約75歳になります。特に女性の場合その差が大きく、晩年の12年余りを寝たきりで過ごすのが平均的な姿なのです。
【ずいひつ】フライウィール・横山直人社長が語る「企業に眠っているデータは宝物」
私の母は一昨年89歳で亡くなりましたが、まさに平均像そのものでした。70代の後半に転倒し、骨折をしたのをきっかけに床に伏せることが多くなり、活動量の低下に伴って認知症を発症しました。母の場合、発症のスピードが非常に早く、たちまち喋ることさえままならなくなりました。こうして12年間寝たきりのまま一生を終えました。食事も自分で取れず、胃ろうの生活が長く続きましたが、お喋りが大好きだった母が全く言葉を発することなく、横たわる姿を見るのが一番辛いことでした。その時、喋ることは生きることなのだと強く実感しました。
一方、コロナ禍で外出ができなくなったお年寄りの認知症リスクが高まったというニュースがしきりに報道されました。他人と話すことで脳の前頭葉が活性化され、前頭葉を活性化することは認知症を遠ざけるのに有効だと専門家は指摘します。
健康寿命を延伸させるには栄養・運動・睡眠などの生活習慣に気を配らなければなりません。また、年を重ねるにつれ、人と話すことの重要性は増してきます。それは認知症に罹りにくくするだけでなく、孤独を回避し、豊かな晩年を送ることにも繋がります。
ある調査によると一人暮らしの高齢男性の2割近くが会話の頻度が2週間に1回以下だったそうです。Happy People Live Longerという言葉がありますが、これでは幸福からも長生きからも遠ざかってしまいます。サークルやボランティアなどを通じて積極的に人と交流を図るべきです。
ところが、話すのは苦手、初めての人と何を喋っていいのか分からないなど、高齢者に限ったことではありませんが、こういった悩みを抱えた人は多いものです。現役時代はたとえ口下手でも、必要に迫られコミュニケーションをとることを強いられます。が、現役を引退してしまうと喋るのが億劫という理由でこもってしまう人が少なくありません。一方、喋るのは嫌いではないのに、高齢者特有の残念な傾向のため、若い世代から敬遠されることもあります。それは話が長い、昔の自慢話が多い、言葉が出てこず、まどろっこしいなどです。
今年でアナウンサー歴46年になる私から見ると、ちょっとしたコツをマスターすれば、これらの悩みから解放され、もっと楽しく会話ができるのにと残念に思うばかりです。
例えば、初めての人との会話を円滑にするには、新聞を熟読し、話題を拾うことをお勧めします。新聞は政治・経済からスポーツ・芸能までこの国に生きる人にとっての話題の宝庫です。
また、質問力を磨くこともお勧めしたいと思います。質問とは、道を尋ねる、数式の解き方を聞くといった分からないことを尋ねるためだけのものではありません。会話を転がすとても大切な要素なのです。「わあ、素敵なネクタイ。輸入物ですか?」というふうにです。
このほかにも会話の達人になる42のコツを提示したのが、この度出版した『「老けない人」ほどよく喋る』(ワニブックス刊)です。『80歳の壁』の著者・和田秀樹さんとの対談も巻末に掲載。豊かな老後のためにも是非お手に取ってみてください。
【ずいひつ】フライウィール・横山直人社長が語る「企業に眠っているデータは宝物」
私の母は一昨年89歳で亡くなりましたが、まさに平均像そのものでした。70代の後半に転倒し、骨折をしたのをきっかけに床に伏せることが多くなり、活動量の低下に伴って認知症を発症しました。母の場合、発症のスピードが非常に早く、たちまち喋ることさえままならなくなりました。こうして12年間寝たきりのまま一生を終えました。食事も自分で取れず、胃ろうの生活が長く続きましたが、お喋りが大好きだった母が全く言葉を発することなく、横たわる姿を見るのが一番辛いことでした。その時、喋ることは生きることなのだと強く実感しました。
一方、コロナ禍で外出ができなくなったお年寄りの認知症リスクが高まったというニュースがしきりに報道されました。他人と話すことで脳の前頭葉が活性化され、前頭葉を活性化することは認知症を遠ざけるのに有効だと専門家は指摘します。
健康寿命を延伸させるには栄養・運動・睡眠などの生活習慣に気を配らなければなりません。また、年を重ねるにつれ、人と話すことの重要性は増してきます。それは認知症に罹りにくくするだけでなく、孤独を回避し、豊かな晩年を送ることにも繋がります。
ある調査によると一人暮らしの高齢男性の2割近くが会話の頻度が2週間に1回以下だったそうです。Happy People Live Longerという言葉がありますが、これでは幸福からも長生きからも遠ざかってしまいます。サークルやボランティアなどを通じて積極的に人と交流を図るべきです。
ところが、話すのは苦手、初めての人と何を喋っていいのか分からないなど、高齢者に限ったことではありませんが、こういった悩みを抱えた人は多いものです。現役時代はたとえ口下手でも、必要に迫られコミュニケーションをとることを強いられます。が、現役を引退してしまうと喋るのが億劫という理由でこもってしまう人が少なくありません。一方、喋るのは嫌いではないのに、高齢者特有の残念な傾向のため、若い世代から敬遠されることもあります。それは話が長い、昔の自慢話が多い、言葉が出てこず、まどろっこしいなどです。
今年でアナウンサー歴46年になる私から見ると、ちょっとしたコツをマスターすれば、これらの悩みから解放され、もっと楽しく会話ができるのにと残念に思うばかりです。
例えば、初めての人との会話を円滑にするには、新聞を熟読し、話題を拾うことをお勧めします。新聞は政治・経済からスポーツ・芸能までこの国に生きる人にとっての話題の宝庫です。
また、質問力を磨くこともお勧めしたいと思います。質問とは、道を尋ねる、数式の解き方を聞くといった分からないことを尋ねるためだけのものではありません。会話を転がすとても大切な要素なのです。「わあ、素敵なネクタイ。輸入物ですか?」というふうにです。
このほかにも会話の達人になる42のコツを提示したのが、この度出版した『「老けない人」ほどよく喋る』(ワニブックス刊)です。『80歳の壁』の著者・和田秀樹さんとの対談も巻末に掲載。豊かな老後のためにも是非お手に取ってみてください。