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ニデック(旧・日本電産)が「空飛ぶクルマ」向けのモーター開発に参入

財界オンライン 2023年7月6日 11時30分


「両者の有する世界最高峰の技術を結集し、次世代の航空移動手段の可能性を拡げる」─。

 次世代交通システムとして期待される「空飛ぶクルマ」。旧日本電産のニデック(小部博志社長)が、ブラジルの航空機メーカー・エンブラエルと合弁会社を設立、空飛ぶクルマ向けのモーター開発に乗り出す。

 ニデックが51%、エンブラエルが49%を出資。本社は米国で両社のブラジルやメキシコの工場を活用して製造を開始する。

 ニデックのモーター技術とエンブラエルの制御技術で電機駆動システムの開発、製造、販売を行う。システムはまず、エンブラエルの空飛ぶクルマへ搭載、その後、他社に展開したい考え。

 空飛ぶクルマは、都市や郊外で乗客や荷物を運ぶ新たな航空システムやサービス。世界中の航空機メーカーやスタートアップ企業が開発にしのぎを削り、日本では2025年の大阪・関西万博で飛行実現を目指す。

 もっとも、現段階は機体開発、地上での発着場や管制システムなどインフラ整備、法規制など、課題は山積。それでも、人口減少が進む日本では、交通渋滞やドライバー不足などの課題を解決する手段として期待される。

 矢野経済研究所の調査では、2025年の「空飛ぶクルマ」の世界市場は608億円、2050年には180兆円超になると予測されるほどだ。

 空飛ぶクルマ向けモーターを新たな事業に育てたいニデック。会社設立から50年を迎えてなお、新規事業創出に余念がない。

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