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【国土交通省】 物流「2024年問題」でトラック運転手不足へ対応策

財界オンライン 2023年7月12日 11時30分

政府はトラック運転手の不足が懸念される物流業界の「2024年問題」に対応する政策パッケージを取りまとめた。

 大手の荷主企業や物流事業者に対し、運転手の負担を軽減する改善計画の提出を義務付ける。消費者の意識改革を促し、24年度までに再配達率の半減を目指す。

 政府は対応を盛り込んだ関連法案を来年の通常国会に提出することを目指す。岸田文雄首相は6月の関係閣僚会議で「物流を持続可能なものとするためには荷主企業、物流事業者、消費者が一体となって支えていくことが不可欠だ」と述べた。

 パッケージでは、大手の荷主企業や物流事業者に対し、運転手が集荷先や配達先で待機する時間を短くしたり、納品回数を減らしたりする改善計画の作成と報告を要請。不十分な場合、国が事業者に勧告や措置命令などを行う。

 運転手が適正な運賃を受け取れるよう「送料無料」表示の見直しに取り組む方針も明記。国が荷主企業などに示している運賃水準の目安も、運転手の実質的な労働時間やガソリン代の高騰などを考慮して見直す。

 現在12%程度の再配達率については、消費者の意識を改革して24年度までに6%に半減させる目標を設定。具体的には宅配ボックスの普及や、1回で荷物を受け取ったら買い物に使えるポイントを付与するといった取り組みを想定している。

 国土交通省の担当幹部は「(再配達などの)料金を高くするよりも、協力すればプラスがあるという前向きな仕組みで対応していきたい」と方策を模索中だ。

 物流業界を巡っては、これまで運転手の長時間労働が常態化し、人手不足も深刻化。労働基準法の改正で、24年4月から運転手の時間外労働が年間960時間までに制限される。このため、1人の運転手が運べる荷物の量が減り、物流が停滞する恐れがある。

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