財務省が7月3日発表した2022年度一般会計決算で税収は71兆円超となり、3年連続で過去最高を更新した。70兆円超えは初めて。
一方、歳出は支出の必要がない「不用」が約11兆円となった結果、決算剰余金も2兆6千億円余りに膨らんだ。決算剰余金の少なくても半分は法律の規定により国債償還の返済に充てたうえで、残りは防衛力強化の財源に宛てられる見通し。だが、防衛財源を巡り、自民党特命委員会は決算剰余金の全額活用を求めており、今後政府・与党の駆け引きが激しくなる可能性がある。
4日の閣議後会見で、鈴木俊一財務相は「財政法上の規定により、決算剰余金の2分の1は公債等の償還にあて、残りの2分の1については、防衛力強化の財源に充てることが基本」と説明。「従って、防衛力強化のための財源確保のフレームの変更は考えていない」と明言し、特命委を牽制した。
政府は今後5年間で防衛費を総額43兆円に引き上げる方針。財源は決算剰余金と税外収入でまかなう防衛力強化資金、予算効率化による歳出改革とし、残りを増税で確保する考えだ。一方、自民特命委は、税収の伸びで想定より増えた剰余金を防衛費に充てれば増税を回避できると主張している。
党最大派閥・安倍派の実力者でもある萩生田光一政調会長が特命委のトップを務めていることもあり、決算剰余金の上振れは政局の新たな〝火種〟になりそうだ。鈴木氏は4日の会見で決算剰余金の活用について、従来の説明を繰り返した一方「財政状況や歳出歳入全体の動向、過去の対応などを踏まえて検討される」とも述べ、規定見直しの可能性をにじませたのも、与党との調整を念頭に置いたものとみられる。
岸田文雄首相は内閣改造・自民役員人事を8~9月に行う方向。最大の焦点である幹事長人事次第では、財務相の交代もあり得る。今年末の23年度予算編成は、予算の大幅増額を決めた防衛と少子化の2大政策で国民の負担増につながるフレームを決める必要があり、鈴木氏が引き続き重責を担うのかも注目される。
第一生命経済研究所・熊野英生氏の指摘「まだまだ物価上昇は続く」
一方、歳出は支出の必要がない「不用」が約11兆円となった結果、決算剰余金も2兆6千億円余りに膨らんだ。決算剰余金の少なくても半分は法律の規定により国債償還の返済に充てたうえで、残りは防衛力強化の財源に宛てられる見通し。だが、防衛財源を巡り、自民党特命委員会は決算剰余金の全額活用を求めており、今後政府・与党の駆け引きが激しくなる可能性がある。
4日の閣議後会見で、鈴木俊一財務相は「財政法上の規定により、決算剰余金の2分の1は公債等の償還にあて、残りの2分の1については、防衛力強化の財源に充てることが基本」と説明。「従って、防衛力強化のための財源確保のフレームの変更は考えていない」と明言し、特命委を牽制した。
政府は今後5年間で防衛費を総額43兆円に引き上げる方針。財源は決算剰余金と税外収入でまかなう防衛力強化資金、予算効率化による歳出改革とし、残りを増税で確保する考えだ。一方、自民特命委は、税収の伸びで想定より増えた剰余金を防衛費に充てれば増税を回避できると主張している。
党最大派閥・安倍派の実力者でもある萩生田光一政調会長が特命委のトップを務めていることもあり、決算剰余金の上振れは政局の新たな〝火種〟になりそうだ。鈴木氏は4日の会見で決算剰余金の活用について、従来の説明を繰り返した一方「財政状況や歳出歳入全体の動向、過去の対応などを踏まえて検討される」とも述べ、規定見直しの可能性をにじませたのも、与党との調整を念頭に置いたものとみられる。
岸田文雄首相は内閣改造・自民役員人事を8~9月に行う方向。最大の焦点である幹事長人事次第では、財務相の交代もあり得る。今年末の23年度予算編成は、予算の大幅増額を決めた防衛と少子化の2大政策で国民の負担増につながるフレームを決める必要があり、鈴木氏が引き続き重責を担うのかも注目される。
第一生命経済研究所・熊野英生氏の指摘「まだまだ物価上昇は続く」