トヨタ自動車が四半期利益で初めて1兆円を達成した。「仕⼊先と⼀緒に進めてきた、⽣産性向上活動により、全ての地域で前年同期から販売台数が増加した」(同社)。
【日産】北米でテスラの充電規格を採用 テスラがプラットフォーマーへ
2024年3月期第1四半期の売上高は10兆5468億円、営業利益は1兆1209億円。初めて四半期の売上高が10兆円を突破し、日本の製造業で四半期営業利益が1兆円を超えた。
同社は「各地域でお客様の求める商品を提供し、損益分岐点を下げてきた」と話す。実際、販売台数では日本、欧州、アジア、北米で前年同期比7~32%増。コンスタントに地域に見合った新車を投入し、半導体不足で生産台数に制限がある中でも各地域で販売台数を伸ばした。
また、値上げも奏功。欧州や北米を中心に新車価格を引き上げ、採算性の向上につなげた。高級車「レクサス」や北米専用車種のピックアップトラックなど利益率の高い車種の構成比率が高まったことも寄与した。
一方で課題もある。通期の売上高38兆円と営業利益3兆円という見通しは据え置いた。「それだけトヨタの危機感が強いということ」とは日系自動車メーカーの幹部。懸念材料は中国販売の行方と電動化だ。
トヨタにとって中国はグループ販売台数の約2割を占める。その中国では消費の冷え込みに加え、電気自動車(EV)における中国勢の圧倒的な販売拡大がシェアを押し上げている。
しかも、中国勢の品質は「想定する以上に先を行っている」(自動車メーカー首脳)。また、「1台購入すればもう1台プレゼントするといった乱売状態」(別の関係者)が続き、販売価格も下落。中国事業での連結子会社の営業利益は前年同期比25.7%減となった。広汽トヨタは約1000人の従業員について期間満了前に契約を終了した。
さらに電動化では26年までに世界で年間150万台のEV販売を目標とするが、達成には中国での販売を伸ばすことが不可欠。ただ、電池の調達面では「ホンダよりも遅れている」(アナリスト)という指摘もある。
好業績でも手放しで喜べないトヨタ。電池の工面や新工法などトヨタならではのEVの登場が求められるようになる。
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2024年3月期第1四半期の売上高は10兆5468億円、営業利益は1兆1209億円。初めて四半期の売上高が10兆円を突破し、日本の製造業で四半期営業利益が1兆円を超えた。
同社は「各地域でお客様の求める商品を提供し、損益分岐点を下げてきた」と話す。実際、販売台数では日本、欧州、アジア、北米で前年同期比7~32%増。コンスタントに地域に見合った新車を投入し、半導体不足で生産台数に制限がある中でも各地域で販売台数を伸ばした。
また、値上げも奏功。欧州や北米を中心に新車価格を引き上げ、採算性の向上につなげた。高級車「レクサス」や北米専用車種のピックアップトラックなど利益率の高い車種の構成比率が高まったことも寄与した。
一方で課題もある。通期の売上高38兆円と営業利益3兆円という見通しは据え置いた。「それだけトヨタの危機感が強いということ」とは日系自動車メーカーの幹部。懸念材料は中国販売の行方と電動化だ。
トヨタにとって中国はグループ販売台数の約2割を占める。その中国では消費の冷え込みに加え、電気自動車(EV)における中国勢の圧倒的な販売拡大がシェアを押し上げている。
しかも、中国勢の品質は「想定する以上に先を行っている」(自動車メーカー首脳)。また、「1台購入すればもう1台プレゼントするといった乱売状態」(別の関係者)が続き、販売価格も下落。中国事業での連結子会社の営業利益は前年同期比25.7%減となった。広汽トヨタは約1000人の従業員について期間満了前に契約を終了した。
さらに電動化では26年までに世界で年間150万台のEV販売を目標とするが、達成には中国での販売を伸ばすことが不可欠。ただ、電池の調達面では「ホンダよりも遅れている」(アナリスト)という指摘もある。
好業績でも手放しで喜べないトヨタ。電池の工面や新工法などトヨタならではのEVの登場が求められるようになる。