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【盛和塾との出会い】榮章博・ランドネット代表取締役の転機とは?

財界オンライン 2023年8月29日 11時30分

当社は投資用の中古ワンルームマンションの売買・仲介を中心とした不動産事業を展開しています。2021年7月に東京証券取引所ジャスダック(現スタンダード)市場に上場。不動産データベースと独自の基幹システム「RCP」を活用したDXを背景にビジネスモデルを構築しているのが特徴です。

 わたしが大京住宅流通から独立し、当社を設立したのが1999年9月です。幸い独立から10年は順調に来ていたのですが、2009年に経常赤字に陥りました。

 この時、わたしも社員に適切な対応ができず、20名いた営業の半分に当たる10名が退職してしまいました。社員から信頼されず悩んでいたわたしの転機となったのが、京セラ創業者の稲盛和夫さんが主宰する私塾・盛和塾に出会ったことでした。

 盛和塾では「6つの精進」として、①誰にも負けない努力をする、②謙虚にして驕らず、③反省ある日々を送る、④生きていることに感謝する、⑤善行、利他行を積む、⑥感性的な悩みをしない、を掲げていました。

 わたしが特に印象に残ったのが最後の「感性的な悩みをしない」という部分です。経営者は誰しも失敗したり、会社が倒産するんじゃないかと不安になったりすることがありますが、感情や感性のレベルで心労を重ねるべきではないと。起きてしまったことは仕方がないので、理性で物事を考え、新たな思いと行動を起こすべきだという気付きを得ることができたのです。

 わたしはこのことを知り、京セラという巨大企業を育て上げ、当時、日本航空の再建に取り組もうとしていた稲盛さんでも、ひょっとして「感性的な悩みをしない」ということを自分に言い聞かせているのだろうか。名経営者である稲盛さんがそうなら、わたしが感性的な悩みを抱えるのは当然じゃないかと。

 今から考えたら、当時は経営者として、わたしの肚の座り方が中途半端だったのだと思います。会社が上手くいかないのではないかと不安になったり、気落ちした時に社員とぶつかったりするのは、わたしの心の在り様の問題だと考えるようになり、改めて経営というものを真剣に考えるようになりました。

 それ以来、3年間、社員が退職することも無く、今では営業も300名規模まで増えました。現在は毎朝15分間、輪読会や当社の経営理念、アイデンティティー(社訓)を唱和する時間をつくっており、同じ価値観を持つ仲間が増えたことに心強さを感じています。

 近年は築浅のファミリータイプのマンションも強化しており、戸建てやアパートも拡大。将来的には1棟のマンション、オフィスビル、土地への取り扱いを拡大し、国内不動産流通市場での販売シェア1位を目指していきたいと考えています。

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