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【厚生労働省】マイナ制度のトラブル続出で「資格確認書」期限を見直し

財界オンライン 2023年9月7日 15時0分

マイナンバーカードと健康保険証を一体化した「マイナ保険証」を持たない人に発行する「資格確認書」。政府は有効期限を最長5年に延ばし、本人の申請がなくても「プッシュ型」で配るなどの見直しを新たに決めた。

 見直しは岸田文雄首相が8月上旬の記者会見で表明。マイナカードを巡る相次ぐトラブルで国民の間で不信感が高まる中、「全ての人が円滑に医療を受けられるようきめ細かい対応を徹底する」の意義を強調した。

 6月に改正された健康保険法などを基に導入が決まった資格確認書は当初、本人からの申請を原則とし、有効期限は最長1年に設定。マイナ保険証の補完的な位置付けで、継続使用には毎年の更新手続きが必要とした。

 しかし、マイナンバー制度を巡る相次ぐトラブルで批判が集中。政府内でも「保険料を負担しているのに診療が受けられない事態は絶対に避けなくては」と運用見直しを探っていた。

 新たな対策では最長1年の上限を見直し、5年以内なら保険者の判断で期限を決められるよう修正。本人申請を必要とした従来方針を改め、マイナ保険証を持たない人全員に職権で交付する。

 厚労省のある幹部は「いろいろと批判もあるが、保険者とマイナ保険証を持っていない人の負担を少しでも減らすことが念頭にあった」と振り返り、「当面の国民の不安解消につながるのではないか」と期待している。

 資格確認書は現行の保険証が廃止される2024年秋にあわせて発行が始まるため、担当の保険局幹部は「関係者の準備期間を考えると早めに詳細な内容を示す必要がある」と強調し、制度設計の検討を急ぐ方針だ。

 一方、別の幹部は「身分証明書として使用できるのかなど検討事項も多い」と指摘。「あまりに今の保険証の仕組みと違うと不便になるし、全く同じ機能にするのも普及を加速する意味では問題がある」など話しており、今後地方自治体や保険者の意見を十分に聞きながら詳細を詰める考えだ。

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