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止まらぬガソリン代上昇 15年ぶりに最高値を更新

財界オンライン 2023年9月7日 18時0分

ガソリン代の上昇が止まらない─。

 経済産業省が8月30日に発表したレギュラーガソリン1リットル当たりの全国平均価格(28日時点)は前週から1.9円値上がりし、185.6円となった。15週連続の値上がりで、2008年8月につけた185.1円の最高値を更新した。

 ガソリン代高騰の背景にあるのは、原油価格の上昇や円安に加え、政府が価格を抑制するための補助金を6月から徐々に減らしていることが大きい。

 運送業者の中では、トラック運転手の不足が懸念される〝2024年問題〟に加えて、「燃料代高騰は死活問題」と悲鳴も上がっている。

 政府は昨年1月から、ガソリンの平均価格が170円を超えないよう、石油元売りへ補助金を出してきた。当初は3カ月の予定だったが、ロシアによるウクライナ侵攻があり、原油価格が高騰。補助金の期限を4度延長し、本来は今年9月末で終了する予定だった。ただ、現在も原油価格は高止まり、岸田文雄首相はガソリン価格を抑えられるよう、年末まで新たに補助金政策の延長を決めた。

 ただ、消費者や運送業界には歓迎する声があるものの、財務省や政府内には際限なく膨張する財源や、市場価格をゆがませる制度への懸念も出ている。

 ガソリン価格の抑制のために政府はすでに約6兆円の予算を計上。ある与党幹部は制度の出口に向けた議論の進む気配がないとして、「永遠に補助金を出し続けていくのは現実的ではない」と指摘する。

 国民の負担軽減策であるとはいえ、補助金政策の原資は税金であり、将来世代へ負担を押し付けているにすぎない。今後は出口戦略をめぐる議論も必要だ。

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