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事業会社ユニクロ社長を退任 権限移譲進める創業者・柳井氏

財界オンライン 2023年9月13日 11時30分

ファーストリテイリングは9月1日付けで、傘下のユニクロ社長兼COO(最高執行責任者)に取締役の塚越大介氏が就任する人事を発表。創業者で会長兼社長の柳井正氏は会長兼CEO(最高経営責任者)となり、徐々に後進へ権限移譲を進めることになりそうだ。

 塚越氏は2002年入社の44歳。中国事業の責任者などを経て、現在はユニクロ事業のグローバルCEO。柳井氏は親会社ファーストリテイリングの会長兼社長として、今後もグループ全体の経営の意思決定や執行に関わっていく。同社は今回の人事を「次世代のチーム経営体制強化の一環」としている。

 〝カリスマ〟と呼ばれる経営者になればなるほど、後継者への引継ぎは難しい。柳井氏は2002年に一度、ファーストリテイリングの社長職を玉塚元一氏(現・ロッテホールディングス社長)に譲ったが3年で復帰。2005年から現在まで会長兼社長として経営の指揮を執っている。

 また、ソフトバンクグループは昨年までに3人いた副社長が全て退任。いずれも会長兼社長である孫正義氏の後継候補と目されていた人物で、今後もしばらくは孫氏が最前線に立ち続けるしかないようだ。

 後継者選びが難航しているのはニデック(旧日本電産)も同じ。これまで外部から後継者候補を複数人スカウトしてきたものの、いずれも退社。今年4月に就任した副社長5人の中から次期社長を選び、24年4月に社長交代する方針。創業者で会長の永守重信氏は徐々に社業から離れていく考えだ。

 3社とも創業者への依存リスクが有価証券報告書に記載されるほど、後継者選びは重要な経営課題。後継者と目される人たちがどう能力を発揮していくかも今後は注目される。

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