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【経済産業省】新資本主義会議で「30年代半ば・最低賃金1500円」を目標に

財界オンライン 2023年9月21日 15時0分

岸田文雄首相は8月に開いた「新しい資本主義実現会議」で、最低賃金を2030年代半ばまでに全国加重平均で1500円とする目標を掲げた。23年度の最低賃金が従来の政府目標の全国加重平均1千円を達成したことを受けた対応だ。

 物価高が続き消費が伸び悩む中、今後の焦点は首相が検討を表明している経済対策などで、いかに企業が原資を確保し、賃上げに繋げられるよう支援するかだ。

 最低賃金について、政府はこれまで、第二次安倍政権時代の15年末に「20年ごろまでに1千円とする」との目標を掲げ、コロナ禍の影響で景気が落ち込んだ時期を除き、概ね毎年3%ずつ引き上げてきた。

 岸田首相も今年3月に開かれた政府、労働界、経済界の3者を集めた「政労使会議」の場で「今年は全国加重平均1千円の達成を含め議論いただきたい」と提起し、賃上げへの圧力を強めていた。

 23年度の最低賃金は中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の目安を全国加重平均で41円とすることで決着。これを受けた各都道府県の審議会の決定をまとめると、43円増の1004円となり、政府目標は達成された。

 今後の課題は欧米で続く利上げや、不動産市況の低迷に苦しむ中国などで減速感の強まる世界経済も背景に、4―6月期の実質国内総生産(GDP)で個人消費や設備投資の伸び悩みが見られる中、いかに企業の稼ぐ力を強化し、来年の春闘に向けて賃上げの機運を維持できるかということ。

 岸田首相は新資本主義の会議の席上、新たな経済対策の中で、人手不足への対応など省人・省力化投資の支援措置の抜本強化や、中堅・中小企業による投資促進策を強化すると表明した。

 現状では中小企業による賃上げ率は大企業を下回っており、生産性や収益力の向上を後押しして、幅広い企業で賃上げを実現することが日本経済の浮揚には不可欠だ。

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