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【厚生労働省】「日本版DBS」制度案を公表 性犯罪歴確認、学校に義務付け

財界オンライン 2023年9月22日 11時30分

こども家庭庁は、子どもと接する職業に就く人に性犯罪歴がないことを確認する「日本版DBS」の制度案を公表した。学校や保育所に確認を義務付け、学習塾などには自主的に確認した場合に「適合マーク」を付与する認定制度を設ける。子どもの性被害を防ぐ対策を学校などに求める新法案にDBS創設を盛り込む方針で、今秋に想定される臨時国会にも提出する。早ければ2025年度に制度の運用を開始する方針だ。

 DBSは英国の「ディスクロージャー・アンド・バーリング・サービス」(前歴開示・前歴者就業制限機構)の略称。日本版でも英国の制度と同様に、子どもと接する仕事に就くことを希望する人に性犯罪歴がないことを示す証明を求める。

 性犯罪歴の確認を義務付けるのは学校や保育所のほかに、認定こども園や児童養護施設、障害児入所施設など。塾やスポーツクラブ、認可外保育施設、放課後児童クラブ(学童保育)、タレント養成所などは認定制度の対象とする。

 学習塾を巡っては、中学受験大手「四谷大塚」の講師が教え子を盗撮したなどとして8月に逮捕。署名サイトでは、子どもと関わる全ての職業に確認を義務付けるよう求める署名が行われ、9月1日までに8万筆以上が集まっていた。

 制度案では義務付けは見送られたが、認定を受けた事業者を国が公表する仕組みを明記。小倉將信こども政策担当相は「認定制度への参加を強く働き掛けることで、実質的に義務化と同程度の状況にできる」と強調した。

 確認して性犯罪歴があった場合は▽採用しない▽子どもと接しない業務のみ担当させる─といった「安全確保のための措置」を講じるよう求める。英国では性犯罪歴があった人が子どもと接する職に就くことを禁止しているが、政府関係者は「就業禁止は新たな刑罰を作らないといけないので難しい」と説明した。

 確認の対象とする性犯罪は、裁判所による事実認定を経た刑法の前科のみで、期間に一定の上限を設ける。被害者の年齢は限定しない。

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