持ち株会社の責任は?
保険契約者に損害をもたらした、中古車販売大手・ビッグモーターの保険金不正請求問題。同社を大口代理店としていた損害保険ジャパンとの間では「もたれ合い」とも言える関係が問題視されている。
2023年9月19日には金融庁が損保ジャパン、ビッグモーターに立ち入り検査に入った。損保ジャパンは累計で40人以上の出向者を送っていた他、事故車の修理で損保側の調査員によるチェックを省略する「完全査定レス」を導入、不正請求発覚後も一時取引を再開するなどした対応について、持ち株会社も含めたガバナンスの不備を洗い出す方針。
損保ジャパンとビッグモーターとの取引開始は1988年に遡る。元々は旧日本火災海上保険(後に日本興亜損害保険、現損保ジャパン)との関係から始まった。そのため、ビッグモーターとの関係に関する引き継ぎは旧日本興亜出身の二宮雅也氏(元損保ジャパン会長)、前損保ジャパン社長の西澤敬二氏、現社長の白川儀一氏というラインで行われてきた。
現SOMPOホールディングス会長の櫻田謙悟氏は会見でビッグモーターについて「知らなかった」、「もっと早く報告して欲しかった」と述べたが、自身が損保ジャパン社長だった2010年頃のビッグモーターは、同社にとって大きな存在でなかったことも要因にあるようだ。
ただ、今回損保ジャパン社長の白川氏が問題の責任を取って辞任することが決まったが、金融庁は、現在の大口取引先であるビッグモーターとの関係を、持ち株会社のトップである櫻田氏が把握していないというガバナンスを問題視。
立ち入り検査の結果で、SOMPOホールディングスは経営責任について判断する見通しだが、金融庁内には「みずほの事例と比較にならないくらい悪質」との声は強い。契約者の利益よりも、自社の利益を重視した形になった今回の問題、ガバナンスや企業風土のあり方まで問われている。
損保業界には企業向け保険の「カルテル疑惑」もある。企業向け保険では大手4社で9割という寡占状態の中、担当者同士で価格を調整していた疑いが持たれている。「損保メガ体制」の構造点検の時とも言える。
保険契約者に損害をもたらした、中古車販売大手・ビッグモーターの保険金不正請求問題。同社を大口代理店としていた損害保険ジャパンとの間では「もたれ合い」とも言える関係が問題視されている。
2023年9月19日には金融庁が損保ジャパン、ビッグモーターに立ち入り検査に入った。損保ジャパンは累計で40人以上の出向者を送っていた他、事故車の修理で損保側の調査員によるチェックを省略する「完全査定レス」を導入、不正請求発覚後も一時取引を再開するなどした対応について、持ち株会社も含めたガバナンスの不備を洗い出す方針。
損保ジャパンとビッグモーターとの取引開始は1988年に遡る。元々は旧日本火災海上保険(後に日本興亜損害保険、現損保ジャパン)との関係から始まった。そのため、ビッグモーターとの関係に関する引き継ぎは旧日本興亜出身の二宮雅也氏(元損保ジャパン会長)、前損保ジャパン社長の西澤敬二氏、現社長の白川儀一氏というラインで行われてきた。
現SOMPOホールディングス会長の櫻田謙悟氏は会見でビッグモーターについて「知らなかった」、「もっと早く報告して欲しかった」と述べたが、自身が損保ジャパン社長だった2010年頃のビッグモーターは、同社にとって大きな存在でなかったことも要因にあるようだ。
ただ、今回損保ジャパン社長の白川氏が問題の責任を取って辞任することが決まったが、金融庁は、現在の大口取引先であるビッグモーターとの関係を、持ち株会社のトップである櫻田氏が把握していないというガバナンスを問題視。
立ち入り検査の結果で、SOMPOホールディングスは経営責任について判断する見通しだが、金融庁内には「みずほの事例と比較にならないくらい悪質」との声は強い。契約者の利益よりも、自社の利益を重視した形になった今回の問題、ガバナンスや企業風土のあり方まで問われている。
損保業界には企業向け保険の「カルテル疑惑」もある。企業向け保険では大手4社で9割という寡占状態の中、担当者同士で価格を調整していた疑いが持たれている。「損保メガ体制」の構造点検の時とも言える。