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【株価はどう動く?】好業績バリュー株の中で「狙い球」を絞る時。「資産運用特区」は株高の追い風に

財界オンライン 2023年10月30日 7時0分

「10月新甫は荒れる」が実証された相場

 前回、「2日新甫は荒れる」という相場格言を紹介し、10月相場を予想しましたが、実際に10月2日、日経平均株価は前場で500円以上上げ、後場は結局97円安で引けるという「サーフィン相場」で、まさに格言通りの幕開けでした。

 6月19日の3万3772円が今年の高値ですが、その後9月15日に3万3634円を付けて二番天井を付けた形になっています。安値を見ると6月19日の後の安値が7月12日の3万1791円、そして8月18日の3万1275円で当面の底入れをして反騰、前述の9月15日に二番天井を付けて下落。10月4日に急落して、8月18日の安値を下回って底値模索の展開となりました。

 短期サイクルの相場の波動を見ると、上昇第1波は今年1月4日の安値、2万5661円から、今年の高値6月19日の3万3772円まで、8111円上げました。

 時間の波動、日柄から見ると、6月19日の今年の最高値に対して、8月18日に3万1275円という安値を付けていますが、これが綺麗に「3月またがり60日」になっています。1日も違っていない形です。

 この法則通りに株価が動いているとすると、6月から8月までは「山」から「谷」に入りましたが、次は「谷」から「山」へと向かうことになります。

 そして次も「3月またがり60日」になるなら、次の高値は10月18日前後になる可能性があります。ただ直近株価は大幅安になっていますので、当面半値押し近辺の3万円ギリギリ、もしくは瞬間3万円割れあたりで底入れするかどうかを見極めることが決め手になります。

 10月4日の株価急落が2~3日、あるいは短期間で終わるのかどうかは、この段階では、まだわかりませんが、底入れすれば急反発する可能性もあります。

 そして、6月高値に対して、年内に二番天井を付けて、その後押し目が入る形ではないかと思います。その押し目が浅ければ浅いほど、その後株価は上がってきます。

 株価が上昇するためには、株価にとってプラスの材料が内外で出てくる必要があります。ただ、足元で日本の株価は売られています。マーケットの解説では、米国政府の「つなぎ予算」が合意し、政府の閉鎖を免れたものの、米国議会の混乱が続いています。

 また、引き続き米FRB(連邦準備制度理事会)は引き締めスタンスで、金利の先高感が強いことを嫌気して下げているとしています。

 しかし、私は違う見方をしています。米国金利の先高感で米国株が下げるのはわかりますが、日本株が下がる理由はありません。日本株が下げている理由は、多くの機関投資家、個人投資家が9月の中間配当を取った後、売ってきているからではないかと見ています。配当取り後のリバランス、調整売りが出ているのではないかということです。

 もし、そうなれば足元の調整局面は、そう長くはないでしょう。そして今後も上がってくる銘柄は、業績見通しがよく、2024年3月期決算でも高配当をするバリュー株が中心になるものと見ています。ハイテク、グロース株の出番は、もう少し後ということになります。

 これまで私は、海運大手3社、鉄鋼、総合商社、自動車といった銘柄について言及してきましたが、今後はこうしたセクター全体を見ていてはいけないと考えています。

 例えば、海運大手の中でも、特に業績がよくて高配当の1社に絞って「狙い撃ち」することが必要になります。

 的を絞って、バリュー株の中でも本当に強い銘柄を買っていく相場になるのではないかと見ています。

 狙い球を絞る時に注目すべき業種は、第1に海運、第2に鉄鋼、第3に商社、第4に自動車、第5に消費、インバウンド関連です。

 消費、インバウンドでは食品や小売りで業績のいい銘柄がすでに買われていますから、その中から的を絞れる銘柄を、自分で探さなければなりません。

 私は以前から紹介していますが、例えば商社であれば双日(2768 東京PRM)、豊田通商(8015 東京PRM)、あるいは伊藤忠商事(8001 東京PRM)などに注目しています。


「資産運用特区」は株価へのプラス材料

 今後、岸田政権は近い将来に訪れるであろう解散総選挙に備えて、強力な景気対策を打ち出すはずです。すでに減税論が出てきています。これは株高要因です。岸田首相は相当、解散総選挙を意識しているものと見ています。

 あとはタイミングだけなのだと思いますが、できれば野党の体制が整わないうちに実施したいと考えているでしょう。様々な日程が取りざたされていますが、年内解散の可能性が高まっているのではないでしょうか。

 もう1つ、株価にとってのプラス材料が、先日岸田首相が米ニューヨークにおける投資家向け講演で打ち出した「資産運用特区」です。同時に、投資家たちに対して、日本への投資を呼びかけました。

 おそらく、この呼びかけは日本の株価にとってプラスです。22年に岸田首相は英ロンドンの金融街・シティで投資家向けに講演を行い「岸田に投資を」と呼びかけましたが、その時に比べれば、今の国際情勢は遥かに日本優位に動いています。

 新冷戦構造で「中国売り、日本買い」という状況の中での呼びかけですから、おそらく海外の投資家は日本の株、不動産にさらに投資してくるものと見ています。そうでなくとも為替は円安に振れていますから、割安だと言えます。

 いよいよ、日本の株価上昇、大都市中心にすでに上がっているマンションや土地の価格は、さらに上がってくるものと予想しています。

 そして最終的には米国発の大バブル相場に向かっていくと考えています。

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