米国の利上げは「打ち止め」か?
日米の株価は波乱含みで、下落調整局面が続いてきました。特に米国金利の上昇、インフレの再燃、景気後退懸念で米国株は下げ、それに連動して日本の株価も下落、10月4日に3万487円という安値を付けました。これが一番底です。
波動からいうと、今年の日経平均株価は6月19日のバブル以降の新高値、3万3772円が一番天井、9月15日の3万3634円で二番天井を付けた後、下落調整局面が続いていました。
ではなぜ、日米の株価は下落したのか。
米国サイドでは今後の金利、インフレの先高感、金融引き締めによる景気後退懸念、さらにはウクライナ戦争に続いて、イスラエルとハマスの紛争による原油価格の上昇が弱気材料となっていました。
これらの弱気材料は、ニューヨークダウの3万2000~3万3000ドル、日経平均の3万円台までの下げで織り込んだのではないかという動きです。
特に日経平均は10月4日の3万487円に対して10月30日の安値、3万538円で短期サイクルの二番底が入った可能性があります。株価は二番底が入ったら上昇するという習性があります。
二番底を入れた時点で「寄引同時線」が出ています。これは「酒田五法」でいう攻防の分岐点の足なのですが、その後、陽線が連続して出て、上に窓を2つ開けて、小幅ながら上昇をしています。この動きから見ると、いよいよ二番底が入って、11月相場以降、反転、上昇する可能性が高まっています。
FRB(米連邦準備制度理事会)は10月31日、11月1日に開いたFOMC(米連邦公開市場委員会)で金利を据え置きました。年内に予想されている利上げを見送る可能性も出てきています。仮に利上げをしても、それが最後の利上げとなるかもしれません。
そして中東不安が今後、拡大するかどうかですが、人質の解放を優先して、イスラエルは攻撃の姿勢は緩めないものの、決定的な戦いには入れないということで、これ以上情勢が悪化しないような方向に動いています。
ハマスの後ろ盾になっているイランやロシアも、戦争が拡大することを望んではいないようです。ロシアはウクライナで手一杯ですし、イランもイスラエルや米国と直接対峙して、核施設を攻撃されるといったダメージは負いたくないでしょう。
イスラエルの体面を保ちつつ「引き分け」に持ち込みたいというのが主要国の方針ではないかと思われます。先行き不透明ではあるものの、関係者が最悪のケースを避けるべく動いており、株価にかなり織り込まれたのではないかと見ています。
日本の株式市場では再び、バリュー株の高配当・好業績企業に個人の金融資産が入ってくるのではないかと予想しています。日本経済は長いデフレのトンネルを抜けて、インフレに向かっていることを、日本国民の多くがわかり始めています。
多くの初心者が、インデックス型の積立投信や、24年1月から始まる「新NISA」を活用して株式投資を始めようとしています。こうした新規マネーの流入、眠れる個人金融資産がいよいよ動き始めており、これは今後の日本の株高の大きな要因になり得ます。
また、140~150円という円安は続きそうですから、海外投資家から見ても日本株は割安ということで、日本株への資金流入も本格化しそうです。つまり「中国売りの日本買い」という流れがはっきりしてくるのではないかと見ています。
23年度の補正予算が成立した頃、下落調整局面が終わって、新しい上昇波動が始まるものと予想します。この場合、短期的な目標は6月19日の3万3772円の奪回です。もし、年内に解散総選挙があれば、6月の高値を抜いて、3万5000円プラスマイナス1000円というゾーンに入っていくのではないかと思います。
足元で、岸田政権の経済政策は不評で、今回の所得税減税も評価されていません。しかし私は岸田政権は経済政策をうまくやっていると見ています。
歴代の首相の中で所得税減税、「資産所得倍増」を打ち出した人はほぼいません。もっと評価されるべきではないかと思います。
外交面でも、日韓関係の劇的な改善、米バイデン大統領との信頼関係構築、「広島サミット」の実現など、「外交の岸田」と言っていいくらいの成果を出しています。
岸田首相の、これまでの業績に対する日本国内の評価は極めて低く、支持率も低調ですが、いずれ見直されるのではないかというのが私の見方です。自民党の麻生太郎副総裁も「法案として数々の難しいものを通していながら、支持率は上がらない。ということは、あまり支持率はあてにならない」と発言していますが、同感です。
一部メディアの偏った世論調査の結果に惑わされることなく、「キシダノミクス」を実行してもらいたいと思っています。
日本銀行は10月31日の金融政策決定会合で、YCC(長短金利操作)の再修正を行いました。極めて真っ当な動きだと思います。黒田東彦総裁下のYCC、マイナス金利はデフレ脱却のための「奇策」でした。
マイナス金利は日本経済が「水風呂」に浸かっているような状態ですから、ここから1日も早く脱却して、1~2%の「良い湯かげん」にしたいところです。そのためにはマイナス金利を早く解除して、金利を上げるべきです。
この金利正常化を急いでしまうと「利上げ」、「引き締め」だと捉えられて景気悪化、株価急落につながる恐れがあります。植田和男総裁はマーケットに刺激を与えないような形で慎重に進めているのだと思います。
岸田首相、植田総裁の政策で、長年にわたるデフレのトンネルを抜けて、経済の正常化に向けて歩んでいるものと判断します。ですから今後、株価上昇は続き、2024年には、さらなる株高が予想されます。
日米の株価は波乱含みで、下落調整局面が続いてきました。特に米国金利の上昇、インフレの再燃、景気後退懸念で米国株は下げ、それに連動して日本の株価も下落、10月4日に3万487円という安値を付けました。これが一番底です。
波動からいうと、今年の日経平均株価は6月19日のバブル以降の新高値、3万3772円が一番天井、9月15日の3万3634円で二番天井を付けた後、下落調整局面が続いていました。
ではなぜ、日米の株価は下落したのか。
米国サイドでは今後の金利、インフレの先高感、金融引き締めによる景気後退懸念、さらにはウクライナ戦争に続いて、イスラエルとハマスの紛争による原油価格の上昇が弱気材料となっていました。
これらの弱気材料は、ニューヨークダウの3万2000~3万3000ドル、日経平均の3万円台までの下げで織り込んだのではないかという動きです。
特に日経平均は10月4日の3万487円に対して10月30日の安値、3万538円で短期サイクルの二番底が入った可能性があります。株価は二番底が入ったら上昇するという習性があります。
二番底を入れた時点で「寄引同時線」が出ています。これは「酒田五法」でいう攻防の分岐点の足なのですが、その後、陽線が連続して出て、上に窓を2つ開けて、小幅ながら上昇をしています。この動きから見ると、いよいよ二番底が入って、11月相場以降、反転、上昇する可能性が高まっています。
FRB(米連邦準備制度理事会)は10月31日、11月1日に開いたFOMC(米連邦公開市場委員会)で金利を据え置きました。年内に予想されている利上げを見送る可能性も出てきています。仮に利上げをしても、それが最後の利上げとなるかもしれません。
そして中東不安が今後、拡大するかどうかですが、人質の解放を優先して、イスラエルは攻撃の姿勢は緩めないものの、決定的な戦いには入れないということで、これ以上情勢が悪化しないような方向に動いています。
ハマスの後ろ盾になっているイランやロシアも、戦争が拡大することを望んではいないようです。ロシアはウクライナで手一杯ですし、イランもイスラエルや米国と直接対峙して、核施設を攻撃されるといったダメージは負いたくないでしょう。
イスラエルの体面を保ちつつ「引き分け」に持ち込みたいというのが主要国の方針ではないかと思われます。先行き不透明ではあるものの、関係者が最悪のケースを避けるべく動いており、株価にかなり織り込まれたのではないかと見ています。
日本の株式市場では再び、バリュー株の高配当・好業績企業に個人の金融資産が入ってくるのではないかと予想しています。日本経済は長いデフレのトンネルを抜けて、インフレに向かっていることを、日本国民の多くがわかり始めています。
多くの初心者が、インデックス型の積立投信や、24年1月から始まる「新NISA」を活用して株式投資を始めようとしています。こうした新規マネーの流入、眠れる個人金融資産がいよいよ動き始めており、これは今後の日本の株高の大きな要因になり得ます。
また、140~150円という円安は続きそうですから、海外投資家から見ても日本株は割安ということで、日本株への資金流入も本格化しそうです。つまり「中国売りの日本買い」という流れがはっきりしてくるのではないかと見ています。
23年度の補正予算が成立した頃、下落調整局面が終わって、新しい上昇波動が始まるものと予想します。この場合、短期的な目標は6月19日の3万3772円の奪回です。もし、年内に解散総選挙があれば、6月の高値を抜いて、3万5000円プラスマイナス1000円というゾーンに入っていくのではないかと思います。
足元で、岸田政権の経済政策は不評で、今回の所得税減税も評価されていません。しかし私は岸田政権は経済政策をうまくやっていると見ています。
歴代の首相の中で所得税減税、「資産所得倍増」を打ち出した人はほぼいません。もっと評価されるべきではないかと思います。
外交面でも、日韓関係の劇的な改善、米バイデン大統領との信頼関係構築、「広島サミット」の実現など、「外交の岸田」と言っていいくらいの成果を出しています。
岸田首相の、これまでの業績に対する日本国内の評価は極めて低く、支持率も低調ですが、いずれ見直されるのではないかというのが私の見方です。自民党の麻生太郎副総裁も「法案として数々の難しいものを通していながら、支持率は上がらない。ということは、あまり支持率はあてにならない」と発言していますが、同感です。
一部メディアの偏った世論調査の結果に惑わされることなく、「キシダノミクス」を実行してもらいたいと思っています。
日本銀行は10月31日の金融政策決定会合で、YCC(長短金利操作)の再修正を行いました。極めて真っ当な動きだと思います。黒田東彦総裁下のYCC、マイナス金利はデフレ脱却のための「奇策」でした。
マイナス金利は日本経済が「水風呂」に浸かっているような状態ですから、ここから1日も早く脱却して、1~2%の「良い湯かげん」にしたいところです。そのためにはマイナス金利を早く解除して、金利を上げるべきです。
この金利正常化を急いでしまうと「利上げ」、「引き締め」だと捉えられて景気悪化、株価急落につながる恐れがあります。植田和男総裁はマーケットに刺激を与えないような形で慎重に進めているのだと思います。
岸田首相、植田総裁の政策で、長年にわたるデフレのトンネルを抜けて、経済の正常化に向けて歩んでいるものと判断します。ですから今後、株価上昇は続き、2024年には、さらなる株高が予想されます。