岸田文雄首相は先日開催された衆院予算委員会で、人口減少問題の解決策を検討するため、新たな会議を設ける考えを表明した。ただ、具体的なメンバーやテーマ、設置時期などは決まっておらず、厚労省の幹部は「われわれにはまだ具体的な指示は全くなく、突然の話に驚いた」と困惑気味だ。
首相は自民党議員の質問に対する予算委での答弁で「人口減少問題は国家的な課題であり、未来の経済社会モデルをしっかり描く」と強調。その上で、具体化に向けた会議体の設置について言及した。
厚労省の国立社会保障・人口問題研究所が4月に公表した日本の将来推計人口は20年に1億2615万人だった総人口が56年に1億人を割り、70年に現状から3割減の8700万人に落ち込むと推計。このうち外国人は1割を占めると想定した。
社会保障制度のみならず、経済や社会の広い範囲にマイナスの影響が及び、国民の暮らし向きが悪化したり、国際社会における日本の存在感が低下したりする事態が懸念されるため、人口減が続くことを前提に、影響を緩和する方策の検討が急務となっている。
ただ、具体的な対策となると政治、社会、経済などあらゆる分野に対する影響が大きいだけに一筋縄ではいかないのが実情。
少子化対策だけでなく、地域も含めた経済競争力の維持、外国人の受け入れ体制の見直し、インフラ設備の維持など検討課題は多岐にわたり、別の幹部からは「人口減少がここ数年のキーワード。既存の会議と重なる部分も多い。何をどう意見集約するかの終着点も見えにくい」と不安の声も漏れる。
もっとも、議論の必要性自体は省内の誰もが認めており、先の官房幹部は「実際にやるとなれば、厚労省の関連分野では社会保障制度の維持や雇用制度の見直しなどが当然テーマになる。政府全体でしっかり議論していかなくてはいけない」と話している。
第一生命経済研究所首席エコノミスト・熊野英生氏の提言「期待される来年の賃上げ」
首相は自民党議員の質問に対する予算委での答弁で「人口減少問題は国家的な課題であり、未来の経済社会モデルをしっかり描く」と強調。その上で、具体化に向けた会議体の設置について言及した。
厚労省の国立社会保障・人口問題研究所が4月に公表した日本の将来推計人口は20年に1億2615万人だった総人口が56年に1億人を割り、70年に現状から3割減の8700万人に落ち込むと推計。このうち外国人は1割を占めると想定した。
社会保障制度のみならず、経済や社会の広い範囲にマイナスの影響が及び、国民の暮らし向きが悪化したり、国際社会における日本の存在感が低下したりする事態が懸念されるため、人口減が続くことを前提に、影響を緩和する方策の検討が急務となっている。
ただ、具体的な対策となると政治、社会、経済などあらゆる分野に対する影響が大きいだけに一筋縄ではいかないのが実情。
少子化対策だけでなく、地域も含めた経済競争力の維持、外国人の受け入れ体制の見直し、インフラ設備の維持など検討課題は多岐にわたり、別の幹部からは「人口減少がここ数年のキーワード。既存の会議と重なる部分も多い。何をどう意見集約するかの終着点も見えにくい」と不安の声も漏れる。
もっとも、議論の必要性自体は省内の誰もが認めており、先の官房幹部は「実際にやるとなれば、厚労省の関連分野では社会保障制度の維持や雇用制度の見直しなどが当然テーマになる。政府全体でしっかり議論していかなくてはいけない」と話している。
第一生命経済研究所首席エコノミスト・熊野英生氏の提言「期待される来年の賃上げ」