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なぜ、NTTデータが”睡眠解析”のスリープテックホテルを開業するのか?

財界オンライン 2023年12月22日 15時0分

NTTデータが24年7月に、睡眠解析に特化したスリープテックホテル(カプセルホテル)を開業する。ホテル事業を展開するナインアワーズ、スマートウオッチのFitbitと協業。スリープテック、フードテック、ウェルネスデータを融合させた健康増進の新事業に参入する予定だ。

 場所はJR品川駅に直結した自社保有の商業施設「アレア品川」。ホテルは定員70床。利用者の同意のもと、赤外線カメラ、集音マイク、体動センサーを用いて、NTTデータが睡眠データの取得・蓄積・解析を行う。利用者は自身の睡眠データなどを知ることができる上、睡眠解析レポートなどを通じて、個人の健康状態や体内リズムに合わせた最適な睡眠環境を把握することができるという。

 NTTデータは今後、睡眠データに加え、様々なパーソナルデータの活用と解析によって蓄積したノウハウを用いて、利用者一人ひとりに合ったサービスを提供。ヘルスケア関連事業を30年までに累計売上300億円規模にまで拡大させようとしている。

「2027年には世界で1千万人の睡眠データ(3万床)を取得し、世界最大規模での睡眠データの蓄積・分析サービスを提供する」(同社)考えだ。

 1日のほぼ3分の1を費やす睡眠時間。近年、日本では睡眠時間の減少が話題となっており、慢性的な睡眠不足状態にある人が増加。日本人の睡眠時間は世界各国と比較しても特に短く、OECD(経済協力開発機構)の21年版調査では、日本人の平均睡眠時間は加盟国30カ国のうち最下位となった。

 一方、生活者自身も睡眠状態を把握することは容易ではなく、意識変化や行動変容も起こりづらい。そこで今回、各種機器から収集されたデータをもとに、睡眠解析レポートを作成。希望者には一人ひとりに合った睡眠改善プログラムや食の提案を行っていく。

 NTTデータは将来的に、睡眠への取り組みを皮切りにして、オンライン診療を含む、未病から治療までの一貫した体験の提供を目指す考え。データの力を駆使して、ヘルスケアを新たな柱に育てていく。

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