日本航空が鳥取三津子専務(59)の社長昇格人事を発表した。同社社長としては初の女性、初の元客室乗務員(CA)、初の旧日本エアシステム(JAS)出身と「初物ずくめ」。何よりも、羽田空港で1月2日に起きた航空機衝突事故で、乗客全員を無事避難させた日航機乗務員の対応が賞賛された直後だっただけに、大きな話題を呼んでいる。
日航が人事を発表した1月17日の記者会見は当初、赤坂祐二社長の「定例記者会見」として報道各社に案内されていた。衝突事故後初の会見で社長が何を語るか聞こうと集まった記者らにとっては、まさに意表を突かれるサプライズ発表だった。
鳥取氏は1985年にJAS前身の東亜国内航空に入社。CAとしての現場勤務を経て、客室サービスや安全推進部門を歩み、昨年6月に代表取締役専務に就任した。航空会社で元CAの女性トップは世界的にも異例で、各社は大きく報道した。
もっとも、鳥取氏は既に代表権を有しており、社長候補の1人と位置付けられていた人物。また、経営破綻後の歴代社長は元整備士、パイロット、整備士の順で現場出身者から選ばれており、今回もこの流れを踏襲した形。破綻前の本流である日航の企画、営業系を外す不文律は維持された点は興味深い。
物腰が柔らかい印象だが、関係者によると「姉御肌」の一面もあるという鳥取氏。会見では、入社直後に起きた85年の日航機墜落事故について「衝撃は強く心に刻まれている」と、安全運航の大切さを継承する責任感を強調。今回の衝突事故で使命を果たした後輩CA9人を「大変誇らしく思う」と称えた。
日航では、未曾有の経営危機に見舞われたコロナ禍の克服にめどを付け、今後は新たな成長軌道をどう描くかを問われる局面に入る。ただ、鳥取氏の経営手腕は未知数だ。
赤坂氏は経営環境の複雑化や事業多様化を挙げて「どれだけチーム経営をできるかが非常に重要だ」と指摘。「長くお客様サービスや安全に従事してきた鳥取さんがふさわしい」と抜擢理由を説明するが、経営者としての経験不足を不安視する声も聞かれる。
業界内では、代表取締役会長に就く赤坂氏が引き続き実権を握るとの見方が少なくない。
<社会貢献> 千本倖生・レノバ前会長が虐待被害児童支援の財団を設立
日航が人事を発表した1月17日の記者会見は当初、赤坂祐二社長の「定例記者会見」として報道各社に案内されていた。衝突事故後初の会見で社長が何を語るか聞こうと集まった記者らにとっては、まさに意表を突かれるサプライズ発表だった。
鳥取氏は1985年にJAS前身の東亜国内航空に入社。CAとしての現場勤務を経て、客室サービスや安全推進部門を歩み、昨年6月に代表取締役専務に就任した。航空会社で元CAの女性トップは世界的にも異例で、各社は大きく報道した。
もっとも、鳥取氏は既に代表権を有しており、社長候補の1人と位置付けられていた人物。また、経営破綻後の歴代社長は元整備士、パイロット、整備士の順で現場出身者から選ばれており、今回もこの流れを踏襲した形。破綻前の本流である日航の企画、営業系を外す不文律は維持された点は興味深い。
物腰が柔らかい印象だが、関係者によると「姉御肌」の一面もあるという鳥取氏。会見では、入社直後に起きた85年の日航機墜落事故について「衝撃は強く心に刻まれている」と、安全運航の大切さを継承する責任感を強調。今回の衝突事故で使命を果たした後輩CA9人を「大変誇らしく思う」と称えた。
日航では、未曾有の経営危機に見舞われたコロナ禍の克服にめどを付け、今後は新たな成長軌道をどう描くかを問われる局面に入る。ただ、鳥取氏の経営手腕は未知数だ。
赤坂氏は経営環境の複雑化や事業多様化を挙げて「どれだけチーム経営をできるかが非常に重要だ」と指摘。「長くお客様サービスや安全に従事してきた鳥取さんがふさわしい」と抜擢理由を説明するが、経営者としての経験不足を不安視する声も聞かれる。
業界内では、代表取締役会長に就く赤坂氏が引き続き実権を握るとの見方が少なくない。
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