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《大胆な若返り》J.フロント次期社長に執行役常務の小野圭一氏が昇格へ

財界オンライン 2024年2月15日 11時30分

「コロナからの完全復活を果たす業績見通しとなった一方、中長期的な成長を目指していく上で、(20歳代後半から40歳代前半の)ミレニアル世代や(90年代半ば以降に生まれた)Z世代にどうアクセスしていくのかなど、新たな課題が生まれている。このタイミングで、経営体制を新たにすることがベストだと判断した」

 こう語るのは、J.フロント リテイリング社長の好本達也氏。J.フロントが3月1日付で、執行役常務の小野圭一氏が社長に昇格する人事を発表。社長の好本氏は代表権のない取締役となる。小野氏は1975年8月生まれの48歳。好本氏は67歳であり、大胆な若返りを図ることになる。

 大丸や松坂屋などの百貨店に加え、パルコやGINZA SIXなどのショッピングセンターを手掛けるJ.フロント リテイリング。長く苦戦が続く百貨店業界にあって、同社は業界でいち早く「脱・百貨店」を標榜。百貨店に依存するビジネスモデルから脱却し、不動産などの非小売り事業を強化してきた。

 好本氏は小野氏の人柄について「肝っ玉が据わっている」と評し、元会長の奥田務氏がよく口にしていた『経営は実行、経営は結果』という言葉が「わたし自身を叱咤激励する言葉でもあったし、小野さんも肝に銘じてほしい」と期待を寄せた。

 小野氏は98年に大丸(現・大丸松坂屋百貨店)入社。パルコへの出向や百貨店のインバウンド(訪日観光客)部門の立ち上げ、人材派遣子会社の社長などを経て、2020年から本体で構造改革推進部長に就任。22年からは常務経営戦略統括部長として、24年度から始まる中期経営計画の策定に携わってきた。

「百貨店の店長経験もなく、営業経験もほとんどないが、グループの中で多様な経験を積ませてもらった。大丸のラグジュアリー性や華やかさ、パルコのエンターテインメント性やワクワク感など、共にもつ時代性やトレンドをリアルの中でも提供していく」と語る小野氏。

 若い感性で、新たな小売り像をつくることができるか。小野氏の手腕に期待が集まる。

第一生命経済研究所 首席エコノミスト・熊野英生の提言「消費は良いのか、悪いのか?」

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