政府は、領海内に限定している洋上風力発電所の設置場所を排他的経済水域(EEZ)に拡大するための制度案を取りまとめた。事業者には実施計画の仮許可を受けた後、漁業関係者らとの調整を経て再度国に申請し、許認可を得る「2段階方式」を求める見通し。漁業への影響を懸念する漁業者らへの配慮がにじんだ内容だ。
政府は与党などとの調整を進め、今通常国会で再エネ海域利用法の改正法案提出を目指す。
洋上風力発電の発電規模について、政府は2030年までに原発10基分に相当する1000万キロワット、40年には3000~4500万キロワットの確保を目標に掲げる。
沿岸から12カイリの領海内だけでは、風況が十分な適地は限られる。政府は23年4月の閣議で、今後5年間の海洋政策の指針となる新たな海洋基本計画を決定。洋上風力発電の設置場所を200カイリ以内のEEZに広げる法整備を進めると明記した。
制度案によると、事業者はまず国が設定した広域の海域内での発電設備の設置計画を申請。仮許可を受けると、漁業関係者や有識者らとの協議会で工事の施工方法や漁業への影響に関して議論を行い、調整が済めば改めて設置許可を国に申請する。港湾の利用計画などを踏まえ、地方自治体も協議会の構成員とする考え。政府は調整が進まなければ、設備の設置を認めない方針だ。
同案を取りまとめた経済産業省と国土交通省の合同審議会の委員からはこれまで、「沖合漁業との調整が必要になる」、「利害関係者との調整は丁寧にしていくべきで、水産庁と議論が必要」との指摘が相次いでおり、政府は対応策の検討を急ぐ。
第一生命経済研究所 首席エコノミスト・熊野英生の提言「消費は良いのか、悪いのか?」
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制度案によると、事業者はまず国が設定した広域の海域内での発電設備の設置計画を申請。仮許可を受けると、漁業関係者や有識者らとの協議会で工事の施工方法や漁業への影響に関して議論を行い、調整が済めば改めて設置許可を国に申請する。港湾の利用計画などを踏まえ、地方自治体も協議会の構成員とする考え。政府は調整が進まなければ、設備の設置を認めない方針だ。
同案を取りまとめた経済産業省と国土交通省の合同審議会の委員からはこれまで、「沖合漁業との調整が必要になる」、「利害関係者との調整は丁寧にしていくべきで、水産庁と議論が必要」との指摘が相次いでおり、政府は対応策の検討を急ぐ。
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