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【訃報】リコー元会長の桜井正光氏が死去

財界オンライン 2024年2月27日 11時30分

リコー元会長の桜井正光氏が1月24日、急性気管支肺炎のため死去した。82歳だった。

 桜井氏は1942年東京都生まれ。66年早稲田大学第一理工学部卒業後、リコーへ入社。96年に社長へ就任し、現在のSDGs(持続可能な開発目標)につながる、環境保全と経済活動の両立という課題に向き合い、〝環境経営〟を貫いた。

 2007年に会長となり、同年4月から経済同友会代表幹事に就任。在任4年間で、08年のリーマン・ショック、09年の政権交代、そして、退任間近の11年3月には東日本大震災を経験するなど、激動の時代に経済団体のリーダーをつとめた。

 桜井氏が代表幹事だった2010年度に副代表幹事をつとめ、現在の代表幹事である新浪剛史氏は「桜井さんは日本の再生に向けたビジョンとその実現を訴え続けた信念のリーダー。(2010年当時、新浪氏が)混迷の時代にわが国経済の再活性化に貢献していきたいと誓った思いは、今も変わることはありません」とコメントしている。

 本誌(2008年新春特別号)で、日本企業の競争力強化に向けて、「グローバルスタンダードと言われている米国流経営を真似ることではない」と指摘。「日本の強さは人であり、チームワークであり、現場力。今こそ真価を発揮する時」と訴え、日本の歴史・文化・価値観に根付いた経営と、欧米の新しい経営スタイルを融合することが大事だという『新・日本流経営』を説いた桜井氏。

 時代は変われど、今後も同氏の提言が色あせることはないだろう。

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